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経営危機の救世主 ターンアラウンド・エキスパート

5,394件。この数字は東京データバンク発表の今年上半期に倒産した会社の数である。半期では過去最高になったという。また、その負債総額は25,725億円に達する。
ここ3半期の状況は表のようになっている。倒産数は増加傾向にあるが、負債総額・平均負債額は減少し続けているといえる。これは、大型倒産が減り、中小企業の倒産がそれも負債額の小さな倒産が増えていることを示している。

 最近の半期毎の倒産に関する数字(東京データバンク調べ)

 

倒産数 

負債総額

負債平均額

2007 年1 –   6月

5,394 件

25,725 億円

4.8 億円

2006 年7 – 12月

4,726 件

24,670 億円

5.2 億円

2006 年1  –  6月

4,625 件

28,048 億円

6.1 億円

私は、これらの倒産した中小企業の経営者が決算書を正しく把握し、キャッシュフローの現状を理解でき、銀行との付き合い方や法的な支援体制などの知識を持っていたら、あるいは相談する人がいたならば、多くは最悪のプログラムに進む必要がなかったのではないかと残念でならない。
かくいう私も、平成15年には借金30億円を抱えて、進退極まった中から再建体験を持つものである。
今はその経験を生かし、借金を抱え経営不振に陥った経営者を倒産から救い、事業を再生させるお手伝いをしている。経験したものだから、同じ苦労をする経営者を一人でも減らしたいと思い、東奔西走の日々である。 

自分の身体の悪いところは、自覚症状があっても、お医者さんに見てもらわなければ治療ができないように、会社も専門家が判断・治療しなければ、治るものも治らなくなる。
経営者というもの、自社の売上・粗利は楽観的・希望的に判断して過大化する傾向があり、逆に経費・仕入額を過小に予測するため上下で大きな差額が生じ資金ショートを招くことが多くなる。
また、自分の創った事業や製品などは子どものようなものなのでどうしてもかわいく、それを自らの手でやめることはなかなかできないものである。
このように多くの経営者は、破綻寸前まで現実を直視したがらないものである。そのためにも私のようなターンアラウンド・エキスパート(事業再生家)がお手伝いさせていただき、会社経営に関する止血・内科治療・外科治療・集中治療といった症状にあった手当てをしなければならない。 

ターンアラウンド(turn around)とは、日本ではまだ馴染みのない言葉だが、アメリカでは市民権を得ている言葉で、直訳すると「方向転換」となるが、そこから転じて「黒字転換」「事業再生」という意味もある。
私は『企業がこのままの方向で進むと倒産という谷底に落ちるので、方向転換して、安全な方向に進むこと』と解説している。つまり「事業再生」とは、債務超過や業績不振になった企業が事業を見直し、不採算事業からの撤退や負債返済計画の建て直し、経営者交代などによって、経営を健全な状態に回復させることである。
しかし、中小企業の場合には経営者そのものが、ビジネスモデルであり、最大の営業マンであるということが多い。
つまり、現在の経営者でなければ、その企業を再生することは不可能であるといえる。そこで私は不採算事業を整理し、借金を軽減することで、従業員の雇用や経営者の生活を維持し、その企業を継続させるお手伝いをしてきた。経営不振・借金超過になれば、倒産・自己破産という道しかないと思っている中小企業の経営者を、私は笑顔と元気と勇気を与え、数多く救い出してきた。

会社経営に不安を感じたら、早期に専門家に相談することによって、倒産という最悪の状況から脱出することはできるということを多くの人に知ってもらうことが、このコラムを書かせていただいた目的である。次回からは具体的な事業再生の方法を述べていきたい。 

喜多 洲山(きた しゅうざん)

昭和28年生まれ。地方都市の小売業三代目として家業に20代前半から従事。
年商1億円の地域一番店を30年近くかけて、年商40億円の業界全国2位の企業に躍進させる。
しかし、急激な拡大策のために30億円の負債を抱える。この危機をあらゆる手立てを使って乗り越え、復活を果たす。
これらの経験をもとに、中小企業の社長に笑顔とパワーを伝授し、地域経済の活性化することを願って
「喜望大地経営研究会」を大阪梅田と東京八重洲で主宰している。

喜望大地経営研究会
「借金30億からの逆転! 洲山(しゅうざん)日記」

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