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第8回:ブランドをつくる3ステップ – 1.自社の強み

コラム・連載
前回まで、「ブランドはお客さまをラクにする」という定義とその背景をお話しました。いよいよ今回からは具体的な「ブランドの作り方」に入ります。
ブランドを作るための考え方や行動は三段階に分けることができます。その三つのステップは以下の通りです。
【ブランドづくりの3ステップ】
1.自社の強み、得意分野を挙げる
2.それらをお客さまの「ラク」に変換する
3.その「ラク」を保証し、伝える
今回は「1.自社の強み、得意分野を挙げる」についてお話しします。
ブランドはお客さまをラクにするものです。そのための前段階として、自社のどのような要素がお客さまをラクにできるかを考える必要があります。そこで最初は「ラク」といったことを考えずに自社の強み、得意分野について考えてみます。自社の良い点、優れている点、特徴と呼んでもいいでしょう。それらをまずはひたすら挙げるところから始めます。
そしてひたすら強みを挙げた後、大事なやるべきことがあります。それは個々の強みをなるべく具体化することです。例えば食品メーカーであれば、自社の強みを「技術力が高い」「味が良い」などと挙げるかもしれません。しかしこれでは範囲が広すぎます。「日本に2台しかない無菌充填装置を持っている」「A商品は消費者テストで5社中トップの高評価だった」など、なるべく具体的、できれば客観的にすることが必要です。
とはいえ、すべてを具体的、客観的にすることは困難です。姿勢や意気込みといった抽象的な概念もあるでしょう。それらはこれを機会になるべく具体的にしてみてはいかがでしょうか。例えばホテルが自社の強みとして「顧客満足を第一にする」を挙げたとしましょう。この「顧客満足」という言葉も非常に曖昧です。顧客によっても何で満足するかは異なりますし、このホテルの満足度が他のホテルより本当に高いのかを調べる術はありません。一歩間違うと「顧客満足を第一にする」は思い込みで、まったく実行されていないかもしれません。
このような場合は、自社にとって「顧客満足とは何か」を改めて考えてみましょう。例えばそれはリピート率といった数値化できるものならば実際に測定可能になります。それが困難ならば「お客さまへのサービスを最短時間で提供する」といったなるべくわかりやすい内容にするべきです。もしこれが「おもてなしの心で接する」のように抽象的だと、それが強みなのか、得意といってよいのかを誰も判断できません。
ここで挙げられた自社の強みを、あえて自社やその業界に詳しくない人に見てもらうとなお良いでしょう。さきほどの「技術力が高い」「味が良い」のように、実は明確な根拠がないにも関わらず「そうでありたい」という願望が事実と混在している例は少なくありません。そこで詳しくない人、すなわち「素人」に見てもらうことで、「これってどういうこと?」「これは他の会社でもできることじゃないの?」といった素直な意見を出してもらうことが肝心です。
対消費者のBtoCはもちろん、企業間取引のBtoBであっても、あなたの会社や商品のことを買い手があなた以上に知っていることはまずありません。だからこそ、自社の強みだと思っていることを第三者に見せると「意味がわかりづらい」「ピンと来ない」という率直な反応が得られます。これこそが買い手の反応でもあるのです。この時点で強みがわかりにくいということは、それをブランドにしても伝わりづらい可能性が高いのです。
こうして第三者にとってもわかりやすい自社の強みが把握できたら、次のステップに進みます。次回は二番目の「2.それらをお客さまの『ラク』に変換する」をお話します。
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