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第2回:なぜ安易なブランド経営で会社がバラバラになるのか

コラム・連載
「ブランド」について、前回はブランドという言葉の定義が人によって異なること、そのため安易にブランドという言葉をビジネスで用いるべきでないことを述べました。
「でも世間にはブランドコンサルタントやブランディング専門家という人たちがいるじゃないか。その人達はブランドのプロなのでしょう?その人達に依頼すればいいブランドが作れるんですよね?それなのにブランドという言葉を使うべきではない、なんていうのは結局ブランドのことをよくわかっていないだけなのでは?」
このように思われた人もいるかもしれません。ブランドの専門家であると言うのなら、我が社のブランドについてもうまくやってくれるだろう-。そのように考えるのは自然なことです。
私がこのコラムで伝えたいのは、ブランドというものがムダだとか、考えてはならないということではありません。「人によって解釈が大きく異なる言葉を安易に使うとバラバラに動いて効果が発揮できませんよ」ということです。ブランドを正しく理解し、正しく実行すれば、それは経営にとって極めて有効な資産になります。
こんな例え話があります。
社長が『在庫を減らせ』と言った。
倉庫管理のスタッフは在庫を廃棄処分した。
営業のスタッフは在庫を格安で売りさばいた。
経理のスタッフは在庫を損失計上した。
どれも「在庫を減らせ」という命令を忠実に実行したに過ぎません。ただ、それぞれの役職に応じて言葉の解釈が違うと、社員は「正しくバラバラなこと」をしてしまいます。これでは効果は発揮できません。
ブランドについても同じです。社長から「ブランド力を向上せよ」と言われてあなたは何をしますか?ある人はロゴをかっこ良くする。ある人は商品のパッケージデザインをリニューアルする。ある人は従業員のマナー教育をする。どれも正しいかもしれないし、正しくないかもしれません。また、ひとつひとつは正しくてもトータルなバランスがおかしくなってしまうかもしれません。100円のスナック菓子を売るのに高級ホテル並の接客をすることは買い手も求めないでしょうし、それで「高級になった、これでブランドだ」と言う人はいないはずです。
ブランドは便利な言葉だけに安易に使ってしまいがちです。そのため各スタッフが「自分にとってのあるべきブランド像」を描き、それに向けて走ってしまいがちです。また逆に、ブランドをイメージ的なものと捉えて「商品が良ければ売れる、ブランドなんて必要ない」「安ければ売れる、顧客はブランドなんて求めていない」と「ブランド=ムダ」と切り捨てられてしまうこともあります。
ブランドという言葉はひとり歩きし、個々の社員がそれぞれの解釈で「だってブランドが大切なんでしょう」とバラバラに動いてしまいがちです。だからこそ、ブランドを経営に生かすには「ブランドとは何か」「我が社にとってのブランドとは」を意思統一しておく必要があるのです。
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