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第10回:ブランドをつくる3ステップ – 3.ラクを保証し、伝える

コラム・連載
ブランドをつくる3ステップをお話しています。今回が最後のステップです。
【ブランドづくりの3ステップ】
 1.自社の強み、得意分野を挙げる
 2.それらをお客さまの「ラク」に変換する
 3.その「ラク」を保証し、伝える

 

今回は三つ目の「3.そのラクを保証し、伝える」です。
ステップの1と2を通じて「自社の強みをお客さまにとってのよいことに変換する」作業が終わりました。このときに陥りがちな誤りは、それをコツコツ地道に続けていればいつかは誰かが気付いてくれる、わかってくれる、と考えて強みを磨く方にばかり走ってしまうことです。
もちろん、コツコツ地道に努力すること自体は素晴らしいことですし、それを咎める気はまったくありません。楽な方法を選んで目立とうとするよりは成功する可能性は高くなります。しかし以前にお話したように、現代の買い手は常に多様な情報や選択肢にさらされています。そのため、コツコツ努力するだけではなかなか気付いてもらえないのが実情です。
そこである程度はその「あなたにとってどういいか=ラクになるか」をわかりやすく買い手に「伝える」ための努力が必要になります。例えば前回の「部屋干し向きのタオル」の例では、私は店頭にPOPなどの掲示があったからそれに気付き、興味を持ちました。このとき「使ってもらえば部屋干しで匂わないとわかってもらえるはずだ、自分たちから言うようなことではない」とただのタオルとして売っていたら、私は目を留めなかったでしょう。
一般に、よい品物を作る実直で真面目な人ほど口下手なものです。「ウチは御託を並べずに品質で勝負する、わかる人はそれでわかってくれるはず」という考え方もわかります。実際に地道に口コミだけで売れていく商品もあるでしょう。ただ、買い手がみんなすぐに「わかる」わけではないのです。買い手は基本的にその分野の素人です。素人だからこそ「なぜいいか」をわかりやすく伝える必要があるのです。
ですから「伝える」ための努力も必要です。それは高級な品物であれば高級な包装がふさわしいのと同じで、価値を適切に伝えるための手段です。宣伝文句を盛り込んで、品質以上に見せようとする行為とは異なります。そのタオルでいえばPOPを作る、タグに説明書きを付ける、チラシを置く、販売員になぜ部屋干しにいいかを教えて薦めてもらう、といった「伝える」努力が必要です。
そしてここでも良さを伝える根拠が必要です。「部屋干しにいい」とただ言うだけならどの会社でも可能です。それだけでは誰も信用してくれません。そこでこのタオル会社は「早く乾くタオルの織り方で特許取得」「抗菌防臭加工」などと、部屋干しに向いている根拠を提示しています。このような根拠は、イメージだけで売ろうとする他の企業では提示することができません。仮に後出しジャンケンで他の企業も部屋干し対応を言い出したとしても、より強い根拠があればこちらが選ばれるはずです。
このように買い手にとって「ラク」になることをきちんと「保証」し、それを「伝える」ことで「この商品なら信頼できそう!買いたい!」と思ってもらえます。もちろんそれで品質がその保証に伴わなければ、ブランドとして認識されることはありません。実際に使ってみて「確かに保証している通りだ」と実感してもらい、それを積み重ねることで「○○といえばあのブランドだよね」と”ブランド”として心に刻み込まれるのです。
ブランドを作るステップをおさらいします。
1.自社の強み、得意分野を挙げる
…具体的、客観的か?第三者から見て納得できるか?
2.それらをお客さまの「ラク」に変換する
…「自分たちはココがスゴイ」ではなく、顧客目線で「買い手にとってどういいか」
3.その「ラク」を保証し、伝える
…お客さまの目に停めてもらい、信頼を積み重ねる
ブランドとその作り方について理解することができたでしょうか。これまでの話の中で、パッケージやデザインの話はまったくありません。また、よく言われがちな「お客さまとの心の絆、精神的結びつき」といった話題も出てきません。それらを否定するわけではないのですが、デザインや絆を持ち出すと抽象論となってしまいます。実際の「ではどうすればいいのか」という実行策がわからず、普遍的なものとはいえません。
この3ステップであれば、企業の規模や業種、扱う商品に関わらず誰でも実行できるはずです。ブランドとは抽象的な概念ではなく、「自分をどう『ラク』にしてくれるか」の指標です。だから買い手をラクにするために自社の強みや得意分野を変換し、それを伝えればよいのです。
あなたがこの3ステップを通じて、「儲かる」ブランドを作ることを願っています。
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