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山口県周南市のツタヤ図書館新規建設の反対署名運動とECで使うパレートの法則の符号の一致

山口県周南市のツタヤ図書館新規建設の反対署名運動とECで使うパレートの法則の符号の一致

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パレートの法則を理解すると、数値を集積することにより様々な行動障壁を観察することができます。この障壁の数を少なくしていくことは成功の確率を高めるということになります。

パレートの法則とは

使う用語で2:8の法則とも呼ばれています。
ある事象を発見したら、その結果は2:8の割合でばらつくという仮定で考察を始めることが出来ます。
この法則に慣れてくると、ある事象にひとつの要素だけでなく、複数の要素を加えることが出来ます。
例えば、ECショップの売上の8割は、全体の顧客の2割が購入している。
これは売上という事象に、売上金額と顧客人数という要素が入っています。

行動障壁とは

ひとつの目的に確率を利用する場合は、0%または100%が目標となります。
筆者は細菌の死滅確率を0%(百万分の1)に保証する品質管理の仕事をしていました。
細菌に放射線のγ線を照射して滅菌しますが、放射線耐性の細菌を培養することや、医療用具が劣化しない照射量を選定することで、死滅確率を0%の保証をするには多くの障壁を作ることでした。
確率の0%を目指す場合は障壁を増やすこと、逆に100%を目指す場合は障壁を減ずることになります。
確率では積の法則が使われおり、例えば2人で3回ほどジャンケンをして3回続けて勝つ確率は、ひとつの事象で勝つ確率が0.5なので、0.5×0.5☓0.5となり0.125となり、当記事では12.5%と表記します。
具体的に来訪者が全員購入(100%の購入率)を究極の目的とするECで説明してみます。前述した障壁の種類として、行動の結果として発見される障壁という意味で、ここでは行動障壁という言葉で著します。
「あるショップではネット広告で、だいたい100クリックで4つの注文がある」
ひとつの命題に数値が存在していても、直接パレートの法則を利用できません。
行動障壁を考えてみましょう。
・クリックしても興味を示さない人が80%いる
・興味があっても購入しない人が80%いる
この二つの行動障壁から積の法則を利用して購入者の計算を予測します。

100☓0.2☓0.2=4

もちろんネット広告の結果に得る数値は様々ですが確率が100%でない限りは行動障壁を推することが改善の基礎と考えられます。
「値段が高い」「デザインが悪い」「キャッチコピーが良くない」など様々な行動障壁が推察できるはずです。
もうひとつの命題を考えてみます。
「メールマガジンを1000通送ったが購入者は2人だった」
行動障壁を考えてみます。

・メールが届いても見落としている人が80%
・メールのタイトルに興味がない人が80%
・ECサイトに入ってみたが購入しなかった人が80%
1000☓0.2☓0.2☓0.2=購入者8人

命題での購入者は2人なので、もう一つの行動障壁があると考えられます。
・メールが届いても見落としている人が80%
・メールのタイトルに興味がない人が80%
・ECサイトに入ってみたが興味がない人が80%
・興味があるが買わなかった人が80%
1000☓0.2☓0.2☓0.2☓0.2=1.6

ここで重要なことは行動障壁を推察したら、その一つの要素を改善することで結果が変わることです。
たとえば、20%を30%に改善するとします。

100☓0.2☓0.3=6
1000☓0.2☓0.2☓0.2☓0.3=2.4

100クリックで4人から6人の購入の改善は、実は売り上げが1.5倍になっているのです。
この場合では0.2→0.3という改善で売上を飛躍的に増やすことができるのです。
つまり売上が発生するまでの行動障壁を発見して、その改善の優先順位を選定することが大事なのです。

山口県周南市のツタヤ図書館新規建設の反対署名運動

テレビで放送される選挙速報では出口調査が行われ、開票後にすぐに当選確実が表示されます。これは確率的にほぼ間違いないだろうという100%に近い自信の表れです。「標本数が多いほど信頼性が高い情報」であり、確率や相関の計算が出来ます。

さて、佐賀県武雄市でのツタヤ図書館の成功をもとに、筆者の住む山口県周南市でもツタヤ図書館の建設の予定です。
愛知県小牧市では住民の反対運動でこの計画は白紙になりました。
周南市でも反対署名運動があり住民投票を行うためには有権者の50分の1の署名が必要でした。
「たった2%(50分の1)は政策を覆す人数なのか」という趣旨の意見があり、「確かにそうだ」という人もいます。
しかしながら確率をもとにした「論理」を述べると誰しも納得します。
論理と理論の違いは、ここでは論理は確率を測定して正しいとされる結論や既存の背景であり、理論はそれをもとに思考するものです。
50分の1はパーセントで表記すると2%(0.02)となります。
実際に反対署名をする行動障壁を考えてみます。
・有効投票者の20%しか署名機会を得られなかった
・署名機会はあったが名前を書くのが嫌なので、その20%しか署名はしない
そして署名の意思はYesとNoの二つで50%となります。

0.2☓0.2☓0.5=0.02

つまり2%であり50分の1の符号と一致するのです。

小牧市では住民投票が行われツタヤ図書館は白紙になりましたが反対署名は住民投票有効署名数の約2倍が集まり、住民投票では反対32000票、賛成25000票でした。
こちら周南市では有権者数の50分の1が2425人であり8739人の署名がありました。
小牧市が2倍なら周南市は3倍の反対署名があったのです。
最終的に住民投票を議会が否決して、投票には至りませんでしたが、おそらくツタヤ図書館の建設は圧倒的に否決されていた可能性が高いと推察されます。
ツタヤ図書館の建設を計画した際は、ツタヤ図書館は地方創生の成功モデルになると自治体内では期待されていたと思います。
しかしながら、ツタヤ図書館建設の決定までのさまざまな会議・議論等の経緯の中で、その標本数が少ないため成功するかどうかの議論は本来できるはずがありません。
標本数がないことは成功も失敗も、その確率の計算ができないことには意味がないからです。
ツタヤ図書館については武雄市の成功という事例があり、仮に武雄市の真似をしたら成功するという考えに基づき計画をしていたとしたら、「成功確率を求めるには標本数が少なくて論理がない」という致命的な欠陥を指摘する人材がいなかったのでしょう。

行動障壁の基本的な考え方

これまで説明してきたとおり、行動障壁は顧客の行動を最初から目的を達成するまでを観察することで推察することができます。
行動障壁を観察するために、顧客の行動を時系列の事象の連続として考えることと事象の包含関係を考えることをうまく活用しましょう。
前述したツタヤ図書館が駅ビル建設されたとすると、駅で降車した人が対象となります。この人たちにツタヤ図書館にきてもらうためには、改札から駅ビルの間にある案内パネルや動線などの工夫が必要となるでしょう。このように顧客の行動を時系列に考えて行動障壁を観察していくことができます。
一方、事象の包含関係を考える場合は、自社または自分の行動範囲が分かります。
たとえば楽天に出店した店舗の考えかたは、かりんとうを販売しているネットショップとした場合、楽天→スィーツ・和菓子→和菓子→かりんとうという楽天という大きな事象の中にあることがわかります。
このように事象を事象で包んでいることを包含といいます。行動範囲が狭くなったりすると、この包含から飛び出すことも視野として捉えておく必要があるでしょう。

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