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経営の重要なヒントが見つかる効果的なBIツール活用術(導入編2)

経営の重要なヒントが見つかるBIツール活用術(導入編2)

BI(Business Intelligence)ツールを導入すれば、すぐに経営指標が入手でき、マーケットの動向を正確に把握することで、商品開発、あるいは販売戦略に役立てることができるのではないか、と思われている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、それほど簡単に物事が進むわけではありません。しかし、使う人のスキルアップと共に、同じBIツールを使っていても、得られる効果が大きく違ってきます。

目次

BI(Business Intelligence)を効果的に使いたい

BIツール導入前に4つのキーエリアを確認

クラウドで始めて、目的が明確になったらオンプレに移行

BI(Business Intelligence)を効果的に使いたい

BIツールを導入したが、どのように活用すれば企業経営に役立つのか、今ひとつはっきりしないといった疑問、お悩みをお持ちの方がいらっしゃるでしょう。BIツール導入を成功に導き、期待していた効果を得るためには、それなりの準備が必要です。
BIツールを提供しているベンダー、SIerのホームページに掲載されている宣伝文句では、「すぐに利用できます」といった文言が散見されます。確かに、「すぐに利用できます(そのソフトウェアが稼働できる環境があれば)」といううたい文句はウソではありません。しかし、利用できることと、経営に役立てることとの間には、結構深い溝があると考えるべきです。
分析機能を持ったBIツール共通の問題点として、「複数の答えを示す」ということがあります。どういうこと?と疑問を持たれる方もいらっしゃると思われますので、「複数の答え」がどのようなものかを紹介しましょう。
小売業などで、「併購入」にどのような組み合わせが多いのか、過去の販売履歴から分析します。取扱商品が多ければ、それだけ「併購入」される組み合わせの数は多くなります。単純に「併購入」の状況を調べるだけであれば、「併購入」頻度の高い順に商品の陳列を工夫するといった施策を実施することで、それなりの効果を得ることができるかも知れません(かも知れませんと書かれているときは、ほとんど期待できないと同義とお考えください)。
「併購入」を分析するのであれば、単に商品の組み合わせだけでなく、購入者のプロフィールや、「併購入」される条件、例えば日付、曜日、購入される時間帯、さらに天候といった要素も考慮に入れる必要があります。最低限分析に必要な要素を折り込んだ上で分析結果から施策を考える必要があるのです。
話を戻しますが、単純に「併購入」の組み合わせが複数BIツールから得られます。問題は、必ずしも、「併購入」の高い組み合わせだけに注目していては経営に役立たせることができないということです。分析結果の10位、あるいは20位に位置する組み合わせのなかから、棚割を変えることで「併購入」率がアップする可能性を持った組み合わせがあるのではないか、ということです。
得られた回答の中からどれが一番売上に貢献してくれるのかといった判断はツールではできません。あくまでも、利用者の「センス」に負うところ大きくなるのです。ですので、BIツールを導入しようと考えるのであれば、経営者はもちろんですが、ツールを利用する担当者の、数値に対するセンスを磨くことが重要だということも忘れないようにしたいものです。

BIツール導入前に4つのキーエリアを確認

BIツール導入をお考えであれば、経営、販売戦略、顧客戦略、資産管理、商品という企業活動を構成する4つのエリアを明確にする必要があります。理想的には、これら4つのエリアを俯瞰して行う意思決定が自動化されることでしょう。最近AI技術が注目を集めていますが、BIツールとAI技術が統合されることで、精度の高い意思決定をサポートする仕組みが作れそうです。
ただし、BIツールが利用する「DATA」の質が問われることになります。
日本の企業に共通したものとして、データを集めるのは得意なのですが、捨てることが不得手といった印象を受けています。「いつか使うかも知れないから、簡単には捨てられない」ということなのだと思います。もし、捨てられないのであれば、外部記憶メディアにそのデータを移し、現在利用しているシステムからは切り離せばいいのです。どのデータを切り離せばいいのか分からない、あるいは複数のシステムが同じようなデータを利用しているので・・・・、など理由が挙がってくると思いますが、BIツール導入を考えるのであれば、その前に、データの整理整頓が必須条件になります。
データは固定された瞬間から古くなります。例えば顧客データに、誕生日(年齢)、あるいは既婚・未婚、家族構成といった項目があれば、1年後には、このデータを元にした分析から正しい結果を得ることができないということになります。
年齢別で顧客をグループ分けするような処理をした場合、1年前と今では明らかに違います。特に、丙午のように、極端に出生数が減少するような年度が含まれていればその誤差はさらに大きくなるでしょう。
このように、元になるデータが腐っているとしたら、どのような分析手法を使っても顧客の正確な像を得ることは難しくなります。
というように、BIツールを活用し、ビジネスに有効に役立てようとするとき、そのツールの使い方、何ができるのかを心配する前に、ツールを使って得られる結果をより正確にするための環境が整っているのかをチェックする必要があります。

最終的にどちらに舵を切るのかを決定するのは経営者の勘

勘ピューター経営からコンピューター経営への転換をサポートするのがBIツールです。しかし、残念なことに、BIツールが導き出してくれる答えは、右に進むのが統計的、確率的に分析した結果正しい(らしい)、というものです。
数学的には正しくても、前述したように、元になるデータがその分析手法、分析目的に合致していなければ得られた答えを鵜呑みにすることはできません。最後は、長年経営をされてきた経営者の勘でどちらに舵を切るのか判断する必要があります。BIツールが提供する情報は、経営者が勘で判断した結果を裏付けるもの、という認識をどこかに持ち続けることが必要でしょう。反対に、ツールが導き出した答えが経営者の判断と正反対の場合、その違いがどこから来ているのかを考え、違いの元を検証するといった作業が必要になります。
そんな面倒なこと、やっている時間がない、という声が聞こえてきそうです。確かに、経営者は忙しく、自らBIツールが導き出してくれた結果の検証作業などすることは物理的にかなり厳しいと思います。そこで、BIツールの中で、特にレポーティング機能を充実させたツールの選択をお勧めします。本格的な分析はともかくとして、時系列分析機能を使うことで、商品やマーケットの動向を折れ線グラフで簡単に見ることができます。相関分析機能を使えば、バスケット分析やレコメンデーションが可能になります。バスケット分析とレコメンデーションは同じような結果を提示してくれますが、一つだけ大きな違いがあります。
バスケット分析では、一つのバスケットに5つの商品が入っていたとして、その順番は特に問題としません。よく引き合いに出される紙おむつ、ミルク、ビールの併購入の場合、どの順で購入されたのかではなく、一緒に購入されていることがポイントになります。
これに対しレコメンデーションは、プリンター、インク、用紙の組み合わせで購入された結果から、紙を購入した人に対して「プリンター購入」をうながすために、お勧めプリンター情報を提供してもそれほど喜ばれないでしょう。プリンター購入者へのお勧めは、インクや、用紙ということになるからです。
このような「お勧め」をより効果的に行うためには、「ルール」化がポイントになります。お勧めルールを作り上げるために、単に相関分析をするだけでなく、バスケット分析、さらに、支持度、リフトといった処理が必要になります。これらはそれほど難しい処理ではありませんので、現状提供されているBIツールでも処理が可能です。

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