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1、 起業が少ないということ |
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2003年版の中小企業白書の中で平沼赳夫経済産業大臣は「・・日本経済の活力を生み出していくためには、日本経済の屋台骨である中小企業の活性化が不可欠であります。」として「・・やる気と勇気のある中小企業を支援すべく・・・全力を尽くす決意であります。」とあります。ところが以下のとおり、開業企業数は残念ながら、大幅に減少している。しかも、なぜか1年毎のデーターではなく数年毎にまとめられている。 |
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開業企業数及び増加企業数一覧表 (田中編集)
| 年 |
年平均開業数 |
年平均廃業数 |
増加企業数 |
開業率 |
廃業率 |
| 1975〜78 |
277,332 |
180,279 |
97,053 |
5.9 |
3.8 |
| 78〜81 |
295,998 |
191,146 |
104,852 |
5.9 |
3.8 |
| 81〜86 |
230,967 |
216,548 |
14,419 |
4.3 |
4.0 |
| 86〜91 |
198,776 |
215,024 |
▲25,248 |
3.5 |
4.0 |
| 91〜96 |
143,375 |
171,559 |
▲28,184 |
2.7 |
3.2 |
| 96〜99 |
184,557 |
288,147 |
▲92,173 |
3.6 |
5.6 |
| 99〜2001 |
151,224 |
222,772 |
▲71,548 |
3.1 |
4.5 |
同書の295頁 付注2−2−1 開業率・廃業率の計算方法 3.データー
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また、総務省統計局「労働力調査」(「日本国勢図会2002/03」矢野恒太記念会発行)によれば、労力人口は、1980年では5,536万人、2001年では6,412万人でこの間15.8%増加している。
つまり、開業数の減少は労働力人口の減少に起因するのではないことが分かる。 |
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2、 中小企業や起業より公務員、大企業への就職が有利である |
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これまで同様に、今日でも、大卒者など若く職業を選択できる世代の人々は、公務員志向である。次に有力な大企業を志向している。1、の統計は、初めから中小企業に就職したり起業することを志向する人は稀であることを示している。
それは、収入としての給料が多く生活が安定するからという理由だけではない。国家公務員であれば日本の国を良くしようという使命感を体現できるし、その省庁や部課の中にある様々な情報、人脈にふれ、大きな権限と責任を遂行できるという優れた現場があるからである。自分の能力を発揮する現場があるということが大きな魅力であるに違いない。
大企業でも同じである。単に給料が高いからとか、職場が東京にあるからとか、海外に出張できる機会があるからという理由だけでない。その業界、その企業の持っている様々な歴史、培われた社風やノウハウや人脈など様々な情報に接することができること、さらに、そのような環境の中で、それらを基に自分の責任と権限を駆使して、自分の能力を大いに発揮することができる仕事の現場があると思われるからである。
その企業の持っている歴史、培われた社風やノウハウや人脈など様々な情報は、中小企業では、比較的弱いといえる。つまり、
経済的な安定性では、多くの人が、公務員や大企業を志向する理由はあると思われる。 |
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3、 大企業とは異なる、中小企業経営や起業の有利さもある |
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しかし、総従業者数6,278万人のうち従業者数100未満の中小企業に勤める人は4,634万人で73.8%である。中小企業に従事する経営者や従業員には、不利なままなのであろうか。そうとは一概に言えない。
大企業をスピンアウトして独立開業をする人、中小企業で優れた企業を立ち上げている人も多くいるからである。それらの企業家は公務員や大企業に勤務する人以上に自らの能力を発揮していることも良く知られている。この場合の成功要因は、お役所や大企業という大きな組織に起因するもの以外のものである。
様々なノウハウ、情報や人脈を、小なりとも言えども、自分で確立したという自信。さらに、新たに自分が活躍する仕事の「場」を作り出したという自信。創業者はその様な場を持っている。そこでは、ノウハウ、情報、人脈が交流している。
自分の仕事の場を創るには、その仕事の全体について、網羅的に、その歴史的な蓄積、他との関連などに、直に触れることが必要です。大きな組織の場合、全体的に、直に触れることはできません。しかし、小さな組織の場合は社長、製造、営業、庶務、時には経理まで一人何役もこなすことがある。そこから場が作られる。一人何役もこなさなければ見えない世界がある。ちょうど、外国生活をしてきたら逆に日本がよく見えてきた、というのと同じこと。
また、小さな組織では管理ノウハウが不十分なので、誰も指示も管理もしてくれない。自主的に企画・立案・実行・反省・報告する人も出てくる。
中小企業だと現場に密着できる。拘って追求したり、技術的な壁にぶつかったり、誰かに相談したりすることになる。また、不思議なことに、相談に乗ってくれる人がその企業の中や業界の中にいる。小さいが故の小回り、助け合いがある。金額は小さくても、課題は大きくて最先端であることもある。これは大きな有利さです。 |
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大きな組織と小さな組織の要素ごとの差異
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大きな組織 |
年平均廃業数 |
| 企業の歴史、社風 |
優れている |
劣るが、場を中心に創設は可 |
| 使命感 |
大きい |
小さいが自分で獲得する |
| 責任と権限 |
大きい |
小さいが自分で決定する |
| ノウハウ |
大きく多岐に |
少なく狭いが場を中心に掘り下げれば最先端も可能 |
| 人脈 |
一般的に、作るのに有利 |
場を中心に、多種多様な人脈を作れる |
| 仕事 |
組織の一部分、全体の一部として実施 |
場を中心に全体的、網羅的、直接的にできる |
| 1日当たりに存続コスト |
大きい |
小さい |
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4、 小企業での成功条件 |
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自分で事業を立ち上げる場合、小さく始める方が良い。その「場」を中心に人脈や事業のノウハウを重ねればよい。それには時間が掛かる。準備期間に5年から10年、事業を始めて利益や資金力を獲得するまでには10年間は手塩にかけて育てる必要がある。少ない資金で、10年間持たせなければならないのだから小さく始める方が良いのです。
また、資金は少ないほうがよい。少ない資金だからこそ、ローコストでハイアメニティーの商品、それを提供する事業を編み出せるから。
事業の構想は雄大にして斬新、普遍的でなければならないが、スタートは小さく、ひっそりと。あれもこれもないという制約が人を進歩させる。
そうはいっても、その地域で人格者や優れた経営者、民商法、税法、会計、パソコン、通信等に関する第三者の専門家がいて、支援を受けられることが必須というのは都会も地方も、大企業も中小企業も同じである。 |