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【6回シリーズ】
中小企業に対する基盤強化税制の上手な活用の仕方
(4)情報力という基盤強化
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1. IT経営と情報基盤整備の必要性制
日本のIT化は国際競争力の低下を取り返すために、2001年のe-japan戦略で高速通信網を全国に張り巡らせることからはじまりました。
その後、 2003年のe-japan戦略2では「安心・元気・感動・便利」をキーワードとして、国民生活の隅々まで高度に利活用されることを目標として掲げました。
そして2006年1月にはIT新改革戦略が、世界のIT革命を先導し自律的なIT社会の実現に向けた仕上げの戦略として発表されました。
IT新改革戦略のテーマは「いつでも どこでも 誰でも ITの恩恵が実感できる社会の実現」です。そして、改革の柱が「ネットワークインフラの整備」です。
施策の重点として示されたものの中には、IT経営の確立による企業競争力の強化、すなわち、ITによる部門間、企業間連携の強化があり、
それを支えるIT基盤の整備の必要性として“世界一安心できるIT社会:不正アクセス等サイバー犯罪の撲滅”が謳われています。
すなわち、社会や経済取引の基盤としての安全と安心の確保の問題です。
こうした流れの中で、中小企業における適正なIT活用による経営の革新(IT経営)が円滑に進んでいないという現実が多く指摘されてきました。
まだまだ多くの中小企業では、人手でできることをもっと早く、安く、きれいに、正しくという、事務の自動化や省力化をコンピュータ投資に求める、
いわゆるOA化レベルの発想或いはその延長線上の改善の域を踏み出していないという現実があります。
経営におけるIT化又はIT活用とは、有用なデジタルサービス(情報の蓄積・加工・送信・共有・利活用サービス)を、ネットワークによって活用して、
時間・距離や部門・企業の違いを越えたビジネスシステムの構築や分散処理を可能にすることです。
すなわち、IT化とは、単なる人手の代用を超えて、人手でできないことができる力、又はビジネスを変える力にすることです。
一方では、こうしたネットワーク化や分散化に伴い、情報処理システムで処理されるデータに対するセキュリティの重要性はドンドン増していきます。
プライバシーや企業秘密情報を処理するシステムは、サービスを提供する企業は自らの責務として、情報セキュリティを確保しなければなりません。
他方、それらのシステムを構成する各種のIT製品のメーカーに対しても当然一定以上の努力を求められなければなりません。
2. 情報基盤強化税制の内容
IT経営を促進する一方で、現実には部門や企業の壁を超えた業務プロセスの共有やデータの連携という「情報資産の共有と活用」が十分に行われていません。
加えて、それを普及するために必須の情報セキュリティに対する必要な設備の投資や運用面での対策は更に不十分といわざるを得ません。
従って、平成18年度に創設された情報基盤強化税制は、IT新改革戦略と軌を一にしてIT経営の確立による企業競争力の強化のためのネットワークインフラの構築と、
情報セキュリティ投資を同時に推進することを目的とするものです。
対象投資の内容
- OS※及びこれと同時に設置されるサーバー
- データベース管理ソフトウェア※ 及びこれと同時に設置されるアプリケーションソフトウェア
- ファイアーウォール※(1または2と同時に取得されるものに限る)
この税制で注目すべきは、ISO/IEC 15408に基づいて評価・認証されたものという条件が付加されていることです。
これは製品に対するセキュリティの国際基準ですが、必ずしもメジャーではなかったので、この認証を受けていないOS、
データベース管理ソフト、ファイヤーウォールは減税対象となりませんので注意が必要です。
今後全てのメーカーはこの規格基準の認定に向かわざるを得ないことになるでしょうが、この規格の認定を受けている
製品かどうかのチェックは必ず必要です。
因みに、マイクロソフトWindows Server2003 & Windows XPや Internet Security &Acceleration Server2004は、同規格の認定を受けています。
○対象となる年間投資額
1億円以上 但し、資本金一億円以下300万円以上、資本金1億円超10億円以下:3000万円以上
○税制優遇措置の内容
税額控除(10%)又は特別償却(50%)の選択適用
◇税額控除選択した場合
- 基準取得価額(取得価額×70%)×10%=税額控除額
- 基準リース費用(リース総額×70%)×60%×10%=税額控除額
注)税額控除について、法人税額の20%相当額を限度とし、控除限度超過額については1年間の繰越しを認める。
◇特別償却を選択した場合
- 普通償却 プラス 基準取得価額×50%=特別償却額
○適用期間
◇平成18年4月1日から平成20年3月31日までの2年間
3. IT投資促進税制が廃止になって、どうなるのか?!
情報基盤強化税制は、なるほど日本のIT化の政策方向性と一致する税制ではあるものの、IT投資促進税制の対象投資から
一歩進んだ戦略的なシステム化と情報セキュリティ体制の整備に対する投資が対象ですので、本税制の適用期間中に多くの
中小企業にとっての主な投資対象となるとは思えません。
中小企業の実態を考えると、まだまだ、自社内におけるLAN環境やインターネット利用環境の未整備が残っていると思われますので、IT投資促進税制の廃止は残念です。
税制の対象にならない場合には、対象が拡大され、期間が2年延長された「中小企業投資促進税制」あるいは「中小企業者の少額減価償却償却の特例」の適用を検討しましょう。
※ 次回、(5)「設備力という基盤強化」 9/25(火)公開予定
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