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競争激化の中で生き残る「経営のヒント」

  経営と経営戦略
  

BFL経営財務研究所 杉田 利雄
SAS-Web Partner





「経営戦略」の策定支援に関する著作依頼があった。これまで、企業診断から始まり
資金繰り、経営計画、人事給与、融資申込み、と来たパソコンがコンサルティング・
シリーズの第6弾で、これが同シリーズの完結本になる。

次回作の「経営戦略」編は、経済産業省の中小企業大学校で経営戦略の教鞭を取る
西野光則さん(税理士)と株式会社イメージプラン(経営コンサルティング会社)で
大手企業の経営戦略構築支援を行っている森好伸さん(公認会計士)との共著を計画
している。

共著するには、「経営戦略」という言葉の意味や定義のすり合わせが必要になるだろう。
経営戦略の受け取り方と使い方は千差万別のようで、ある人は、経営目標設定のプロセ
スをそう呼び、別な人は、経営目標の達成方法をそう呼ぶ。どうも「経営戦略」の定義
も使われ方も曖昧だ。そこで、私なりの「経営戦略」の定義づけを行うこととした。

■経営と戦略の定義
・経営(企業経営)
 1. 経営とは、企業価値の提供プロセス
 2. 経営とは、顧客創造事業(客づくり活動)
 3. 経営とは、企業理念の実現化事業
・戦略(経営戦略)
 1. 長期的・全体的展望に立った経営の準備・計画・運用の方法
 2. 企業理念に基づく、経営目標の設定プロセス
 3. 事業計画を達成するための最適方法の策定

まず、経営戦略を「経営」と「戦略」に分解してみた。それぞれ1点に絞り込むことが
できず、各々3点の案を挙げてみた。これを組み合わせると3×3で、経営戦略の定義
は9パターンもあることになってしまう。これではだめだ。

■経営の戦略という考え方
分解したし定義を “の”で組み合わせると、一応の経営戦略の定義となるはずだ。
仮に(というよりも私が最も同意できる)各々3番目を組み合わせると
「企業理念の実現化事業“の”事業計画を達成するための最適方法の策定」となる。
この定義から、意味の重複をそぎ落とすと「経営計画実現化の最適方法策定」と表現で
きる。この定義には、企業価値や企業理念などの重要なキーワードが入っていないよう
な気もするが、経営という言葉の中にそれは包括されているだろうと考える。これを
もって、私の経営戦略は「経営計画実現化の最適方法策定」と定義することにした。

■経営(体系)における(経営)戦略の位置づけ
経営戦略を「経営計画実現化の最適方法策定」と定義したとおり、戦略は経営全体(体系)
のひとつのパートに過ぎない。
・経営概念の生成(ビジネス・コンセプト)
 ↓
・事業計画(ビジネス・スキーム)
 ↓
・経営戦略(ストラテジー)
 ↓
・年度経営計画(マネジメント・プラン)
 ↓
・経営執行管理(マネジメント)
 ↓
・企業理念の実現 価値の提供

このチャートで示すとおり、経営戦略は中長期の事業計画(ビジネス・スキーム)の下に
展開される企画事業を指す。従って、経営計画が無ければ経営戦略も存在しないことになる。

■経営戦略の企画事業
経営戦略は、事業計画の基に企画されなければならない。経営戦略策定のインプットデータ
は、企業理念や中核事業領域などの内部要因と政治・経済・市場などの外部要因がある。
事業目標に基づいて内部要因と外部要因を分析し、最も効率的で達成確率の高い方法論を
を構築することが、経営戦略の策定事業だろう。

経営戦略は、さまざまな計画書という形でアウトプットされることが多い。例えば、利益
計画書や資金計画書などの財務計画の他にマーケティング計画、設備計画、人事計画、環境
計画、広報計画など実に多様だ。部門計画や地域計画など経営ユニット単位の計画もその
ひとつで、経営目標を達成するためのあらゆる計画が経営戦略の成果物といえるだろう。

■経営戦略の評価
立案した経営戦略は、計画書という形で経営執行者に提示されるのが一般的だ。経営の執行
者や管理者は、計画書に基づいてマネジメントする。マネジメントの成果は、業績や目標
達成度という形で現れ、利害関係者から評価される。従って、経営計画の立案者・策定者は、
経営目標の達成度によって、経営戦略の良し悪しは評価されることを強く意識する必要があ
るだろう。


2004年3月31日 経営財務研究所所長 杉田利雄

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