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会計検査院、税金の無駄遣いなど約430億円を指摘
タックス・コム代表
税金ジャーナリスト 浅野 宗玄

★税金の徴収不足は約8億円
会計検査院がまとめた2003年度決算検査報告によると、各省庁や政府関係機関などの税金の無駄遣いや不正支出を指摘した金額は約367億円、税金や社会保険料などの徴収漏れが約63億円で、総額は約430億円にのぼり、過去20年間で最も高額となったことが明らかになった。このうち、財務省に対しては、税金の徴収額の過不足約8億4902万円が指摘されている。
税金の徴収額が過不足だったと指摘されたのは89署で、納税者163人から租税を徴収するにあたり、徴収が不足していたものが159事項、約8億1329万円、徴収額が多すぎたものが4事項、約3573万円となっている。前年度は、148署において徴収不足が284事項、約12億3083万円、徴収額が多すぎたものが8事項、約1561万円だったので、2003年度の徴収不足は4億円程度減少したことになる。
徴収が過不足だった163事項を税目別にみると、「法人税」が半数近い71事項(うち徴収過大1)を占め、「申告所得税」51事項、「相続・贈与税」21事項(同2)、「消費税」14事項(同1)、「源泉所得税」5事項となっている。これらの徴収不足額や徴収過大額は、会計検査院の指摘後、すべて徴収決定または支払決定の処置がとられている。
なお、税金の徴収過不足のほか、職員の不正行為によるもの1件、385万円、国の庁舎を使用許可する場合の使用料の算定を誤ったため、使用料が徴収不足となったもの1件、270万円があった。職員の不正行為は、東京・芝税務署において、税務職員が源泉所得税を納付していない源泉徴収義務者に対する指導・調査をしている間に、税金を収納する権限がないのに、源泉徴収義務者から受け取って横領してしまったもの。
★社保診療報酬の所得計算特例の適用率は38.6%
また、会計検査院では、2003年次に法人関係の措置法の実施状況を検査したが、2004年次は社会保険診療報酬の所得計算の特例を選定し検査した。租税特別措置は特定の政策目的を実現するための政策手段であるから、役目が終われば廃止されるはずだが、既得権としてしぶとく生き残っているものも多い。財務省の試算では、特別措置の適用による2003年度における税収の減少見込み額は約3兆5590億円にのぼる。
社会保険診療報酬の所得計算の特例は1954年に創設されたものだが、現行の特例は、小規模零細医療機関の経営の安定を図ることが目的とされ、社会保険診療報酬が5千万円以下の場合は、実際の経費ではなく、所得に応じて57%〜72%を乗じた概算経費を必要経費にできる。2003年度の減収見込み額(財務省試算)は約220億円とされている。ほかの所得計算では採用されておらず、課税の公平の見地から廃止を求める意見は少なくない。
会計検査院の検査結果によると、100税務署における2002年分の社会保険診療報酬が5千万円以下の医業等事業所得者4334人のうち、特例適用者は1672人、特例非適用者は2662人で、その適用率は38.6%だった。特例適用者の平均概算経費率と平均実際経費率との差は18.3%、平均軽減税額は約139万円だった。また、特例適用者は特例非適用者と比べると、平均収入金額は同じぐらいだが、平均実際経費は約908万円少なく、平均所得金額(特例適用前)は約994万円上回っている。
一方、特例に係る課税の執行状況については、特例適用者1739人(別途抽出した67人との合計)の2002年分の検査をした結果、特例を適用した場合の青色申告特別控除額計算の誤りで控除額を過大としている者など85人が見受けられた。会計検査院では、国税庁に対し、特例をはじめ特別措置に係る課税の執行について、より適正に行うことを求めている。
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