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眞柄会計士というお仕事で成功している方はたくさんいらっしゃるにも関わらず、そこに飽きたらず、ノウハウを詰めたソフトウェアを開発しようとされたのは、和田社長の先見の明ですね。 2004年に東証第一部に上場されていますが、いい製品をつくるだけではそこまで至らないと思います。93年に「奉行シリーズ」をリリースされ、その後も業容拡大していく中で、さまざまな経営戦略をとってこられたと思いますが、なかでも成功につながったポイントは何だったのでしょうか。 和田ひとつには、市場を中堅・中小企業に絞ったことです。もちろん、会計の効率化そのものは企業規模に関わらずどこでも直面する問題です。しかし規模によって、解決しなければならない課題――つまり、ニーズが違うので、開発するソフトウェアの内容も、売り方も変えなければなりません。当初はあらゆる市場に手を広げるほどのキャパシティはありませんから、まず中堅・中小企業に的を絞って開発、営業を展開してきました。 次第にハードウェアの性能が上がり、ソフトウェアのほうも高機能化してきましたが、そこで市場の対象を広げてしまうと、商品内容もマーケティング戦略も見直さなければなりません。 しかし私どもにとって一番重要なのは、お客様の満足度です。「安心して使える」「使ってよかった」というお客様を確保することが大切で、そこから口コミでユーザーが広がっていくというのが理想形です。そう考えると、市場の間口を広げるのではなく、当社が持っている強みにフォーカスして、いまある市場を深く掘り下げていくのが最善だろうと判断したのです。 おかげさまでこの戦略が功を奏し、東証一部上場を果たすことができました。 もうひとつのポイントは、人材育成です。 私は会社というものは、「ひとつの想いと魂の結晶である」と思っています。いくら優秀な社員がいても、みんながバラバラな方向を向いていれば、会社としては強くなれません。全体が同じ目標に向かって進んでこそ、規模以上の力を発揮することができると思うのです。
言い換えると、社員にOBCの文化や考え方を浸透させることが重要と考えています。そのために私どもでは、新入社員に対する研修はもちろん、その後も当事者意識研修、内面研修などさまざまな研修を実施しています。ちょうど新卒採用をはじめたころに入った社員が、いまは部長、次長といったOBCの中核を担い手になっていますから、OBCのカルチャーを伝承するには理想的な環境になっていますね。 社内でギスギスした競争を促すよりも、チームワークを育てたほうがいい結果を生みます。たとえば、「開発部門と営業部門の仲が悪い」という話をIT業界ではよく耳にしますね。開発部門は自らの技術力を発揮したいけれども、お客様が求めるスペックとは必ずしも一致しないので、両者に温度差が生まれるわけです。 しかしOBCでは開発も営業も同じ方向を見ていますから、こうした軋轢は生まれません。一緒に手を携えて、お客様に満足していただけるものをお届けしようとしているからです。 とはいえ、私は社員に個性を殺すことを求めていません。当社では、人事についてもオープンでありフェアであることをコアコンピタンスとしているのです。 オープンとは、自由であることです。自分の頭でどう行動すべきかを考え、自ら選択し、挑戦する。社員には大きな裁量権を渡していますから、自ら行動して、その結果から学んでくれればいいと思っています。 このとき、結果の良し悪しを判断するのは、上司でも私でもありません。お客様なのです。つまり、お客様に喜んでいただけることを前提として、社員は行動の自由が保障されているのであって、これを「フェア」という言葉で表現しているのです。 こうした方策が相まって、OBCの独特なカルチャーが出来上がりました。「お客様に喜んでいただけるものをつくる」という強い想いがあれば、それが社員に浸透し、お客様にも伝わっていくものと考えています。 眞柄バブルの崩壊以降、多くの経営者は日本的経営システムに自信を失ってしまい、欧米型の個人主義、達成主義に感化されすぎたようなきらいがあります。OBCさんのありかたは、チームと個人のバランスに悩む経営者にとって、多いに参考になると思います。 |
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