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経営を語る

エグゼクティブ対談 【第30回】セルジオ越後
(日光神戸アイスバックス シニアディレクター)

人とのつながりが、仕事と人生に広がりをもたらす(2/5)

第2の人生をスタートするには若いほうがいい

眞柄子どもたちがみんなプロを目指す中でそのチャンスをつかみ、実際に第一線で活躍されたわけですから、才能もさることながら相当な練習をされたのだと思います。にもかかわらず、若くしてあっさりと引退されましたね。 

セルジオプロとして活動したのは約4年ですね。24歳で引退し、イタリア系の人が経営する鉄骨会社で営業職に就きました。

 いろんな方から「なんで辞めるの? まだできるじゃない」といわれたのですが、辞めることを決意したのは、ある方の言葉がきっかけです。遠征でバスに揺られている時、フロントのひとりが私にこういったのです。
「サッカー選手は娼婦のようなものだ。若い時はモテるけど、30歳を過ぎたら見向きもされなくなる。だから、カネはもらえる時にもらいなさい。一生、チームに面倒見てもらおうと考えたら、大失敗するよ」と。

 言い方は非常に厳しかったのですが、よくよく考えてみると、まったくそのとおりだと思いました。

 プロのスポーツ選手とサラリーマンは違います。プロ選手は1年1年が勝負であって、未来は何も保証されていません。お客さんを呼べるだけの力があれば、会社勤めよりずっとたくさんの報酬をもらえますが、力がなくなればすぐにクビになってしまうのです。「自分は長い間このチームを支えたのに、どうして俺をリストラするんだ!」と言っても、聞き入れてもらえるわけがありません。それがプロの厳しさです。

 その点、日本のプロ野球選手は、ちょっと給料の高いサラリーマンのような印象を受けますね。功労者は、多少、力が落ちてもチームに置いてもらえる。私にいわせれば、生活を安定させたいのならプロではなくアマチュアでつづけていたほうがいいですよ。

 話を戻しますが、プロ選手はいずれ引退して、第2の人生をスタートしなければならない。だったら早いほうがいいと考えて、24歳の時にプロを辞めたわけです。

 プロとして一生豪勢に暮らしていけるほどのお金を稼げる人、いわゆるスタープレイヤーになれるのはほんのひと握りです。そうなることを夢みてプロをつづけるという選択肢もありますが、その小さな可能性に賭けるのは博打みたいなものですよね。

 プロを辞めると、それまでの様々な特権がなくなります。移動の時も専用バスはないし、病院でも並ばなければなりません。それでも私が所属していたチームは人気があったので、営業の仕事はやりやすかったですよ。

 サラリーマンとしてお金を稼ぐのは、こんなに大変なのかと思いましたが、プロ選手だった時とはまた違った充実感を味わうことができました。また、様々な方と知り合うことができ、いっしょにサッカーを楽しんだりもしましたね。

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対談目次

1)ブラジルのサッカー少年たちは、デビューをめざす演歌歌手のようなもの

2)第2の人生をスタートするには若いほうがいい

3)舞台を日本に移して、「第3の人生」がスタート

4)ボランティアの力に支えられ、経営難のチームが初のベスト4に

5)過保護すぎる日本では、強いスポーツ選手は育たない

セルジオ越後氏 ゲスト:セルジオ越後氏
日光神戸アイスバックス
シニアディレクター

プロフィール

聞き手:眞柄泰利
マイクロソフト株式会社

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