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眞柄ITコーディネータの有資格者は今年3月末で累計 7400人以上ということですから、ITコーディネータ協会への期待は大きいですね。今後はどのような課題に重点を置いて活動を進めるのでしょうか。
関現在の重点課題は、いかにITコーディネータが活躍する場を広げていくかです。その1つとして、関係諸団体との連携を深めようと動いています。 とくに注目しているのは金融関係です。中小企業金融公庫や地方銀行は、中小企業へ融資するとともに、経営指導の役割が強まっています。各地域で金融機関とITコーディネータの組織が連携すれば、企業ごとにめざすべき経営の方向を検討したり、ICT化のレベルを診断したりと、きめ細かい経営支援が実現します。 コンサルティングの結果、ICT化が必要となれば、そのための資金を融資してもらうという動きも出てくるでしょう。こうしたWin-Win関係を築きながら、ICT化を広め、浸透を図っていこうと取り組んでいます。 もう1つの取り組みは、ベンダーのITコーディネータに経営面のノウハウをより一層高めていただくことです。経営を理解できるSEと、そうでないSEとでは、プロジェクト・マネジメントを任せても出来るか情報システムの質に大きな違いが出てきます。また部下のマネジメントでも、技術論の視点だけで引っ張っていくのでは視野が狭く、より高い次元で経営的視点を活かしたマネジメントが求められているのです。経営を理解するプロジェクトマネジャーが顧客の目線に立てば、最終的にできあがったシステムの質も大きく違ってきます。 眞柄ベンダーのITコーディネータがもっと活躍すれば、顧客に信頼されるかたちでビジネスを広げていけるでしょう。 関今年、私たちの協会で中小企業経営者の方にも是非読んでいただきたい書籍を発行しました。タイトルは「成功したい経営者が読むIT経営のススメ」というもので、ITを上手に活用して経営改革を進める手順を解りやすく解説しています。また、「IT経営気づき事例集」という成功企業の事例集もIT経営応援隊事業として協会が事務局となって作成しました。営業活動に役立てる簡易版プロセスガイドラインや各種のIT経営事例集を活用しています。これらは経営者が何に気づいてIT経営に着手し、課題を克服することができたか、IT導入によって成功した事例を簡潔にまとめて、経営革新のプロセスを紹介したものです。たとえば、業績不振で潰れかかっていた会社がIT経営の重要性に気づき、IT導入によってV字回復を果たしたといった事例などもあります。 ITベンダーに所属するITコーディネータも、顧客である経営者の目線に立ち、まず、企業の経営課題を整理した上で、「貴社の経営課題を解決するには、このような機能を実現できるシステムが適していますよ」と提案をしていくソリューション営業のモデルです。 製品の種類や性能だけではなく、どのようなシステムを導入すると経営革新が実現できるかを提案できれば、そのベンダーは顧客から歓迎されます。実際、その提案ができる営業集団を持ったベンダーが出てきたことに私は注目しています。 眞柄マイクロソフトは商品を直販しないので、販売はすべてパートナーさんに委託していますが、同じような「売り方の事例」が役立っています。ITコーディネータ協会が、プロセス事例を開発すれば、ITコーディネータの役割を広げますね。 関経済産業省が推進する「IT経営応援隊事業」の一環で実施された「IT経営百選」認定企業の活用も進めています。事務局である情報処理推進機構(IPA)と協力しながら、他の模範となる中小企業でのIT導入の成功事例をどんどん整備し、ICT化の啓蒙活動をしていくつもりです。 もちろん、ITコーディネータは経営論だけわかればいいのではありません。ハードウェア、ソフトウェアはベンダーに委ねますが、システム開発のウォッチ、導入後の運用状況や経営戦略との合致度合いはしっかり評価します。不具合があれば、すぐ経営陣にフィードバックして改善するのも任務です。そのサイクルをまわして改善を進めていくなかにも、ベンダーとのタイアップは生まれます。もしベンダー側に、同じ方法論を共有したITコーディネータがいれば、仕事はたいへんスムーズに進むでしょう。ベンダーのSEがそこまでの任務を求められる時代なのです。 眞柄最近、プロジェクト・マネジャーが足りないという話をよく耳にします。「エンジニアはたくさんいるが、プロマネができる人材はいない。だから、相当多くの案件をロストしている」と。プロマネの育成が急務ということは間違いありませんが、ITコーディネータとして経営のスキルや管理技術を習得するのは重要ですね。
関いまは全国的にプロマネ不足ですから、効果が期待できると思います。過去の失敗例をみていくと、原因は見積ミスや技術力不足などさまざまですが、根っこの部分は共通しています。顧客の置かれている状況や課題が理解されず、必要機能が充分掌握されないままシステム開発に進んでいるという点です。そこが曖昧模糊としたまま開発に着手し、途中で「それではダメだ」とたびたび変更され、結果的に予算オーバーになるのはよくある話です。 どんなビジネスモデルを実現したいのか、どういう戦略実行にICTを活用したいのか、顧客とシステムを開発する側でめざす方向をピタッと一致させなければいけません。技術問題もありますが、いちばん問題があるのは入口のところです。 眞柄たしかに、細かいデザインに入る前に顧客の要求をきちんと聞くという部分は、欠落していることが多いかもしれません。 関当協会の「ITコーディネータ・プロセスガイドライン」は、「ITコーディネータの使命」からはじまり、「プロセスおよびプロジェクト・マネジメントやコミュニケーション活動やモニタリング&コントロール」を説明したものです。 全員が理想どおりにはいかないでしょうが、優秀なITコーディネータはこれらの内容をしっかり押さえ的確に活用しています。有資格者のなかにそのような比率を上げていくことは私たちの大きな課題です。1人ひとりの仕事でクオリティを高めれば、自ずとITコーディネータ全体の社会的価値は上がり、この資格を持ちたいと希望する人数も増えてくるはずです。
眞柄概念図や表を使って、わかりやすく説明していますね。 関ベースとなるプロセスガイドラインは、あらゆる企業に通用する共通の基盤です。その上さらにICT化では、たとえば内部統制やセキュリティの如き共通問題も出てきますから、そのあたりのノウハウはいくらあってもいいでしょう。このガイドラインを実地で活かせる人は、顧客から信頼され、たくさんお声もかかります。 顧客の立場で考えれば、良いシステムが導入でき、ハードやソフトのコストダウンもできるはずです。最近SaaS/ASPが注目されていますが、これが容易に活用できるようになれば、システムを開発したり、ソフトを購入しなくても、便利なソフトを使うことができます。自社にサーバーを入れても面倒をみる人がいない中小企業ほど、利用価値は高いはずです。 この動きは今後急速に進むだろうと私は考えています。もしかすると、中小企業のICT化を促進する起爆剤になるかもしれません。 眞柄ホスティングサービスも利用できますね。すべての企業がサーバーを用意する必要はないと私も思います。 関ユーティリティ化です。電気を使うからといって各家庭に発電機を用意する必要はない。それと同じですよ。これまで言葉だけ先行していましたが、いよいよ現実のものになってきました。 |
3)ツール先行のIT導入でなく、経営に役立つICT化をめざす
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