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眞柄国は2006年1月に発表した「IT新改革戦略」で、2010年までに中小企業の60%に基幹システムを導入する、中小企業の50%でEDIを実現するなどの数値目標を掲げています。いよいよ中小企業にも、IT経営を広めるうえでの具体的なマイルストーンが置かれました。 私自身はITによる経営革新が先にあり、そのためのツールはあとからついてくると考えています。ツールが先行したIT導入は、過去に苦い経験がありますから、企業のほうも二の足を踏むように思うのです。 今回、いつまでに何を達成すると数値目標を打ち出したのは大きな前進ですが、これは民間の努力だけでは実現が難しい部分もあるようです。ITコーディネータ協会、IT経営キャラバン隊などはまさにリードしていく立場だと思いますが。 関おっしゃるように、数値目標まで入れたICT化戦略の意義は大きいですね。われわれベンダーが過去に誤ったツール先行のIT導入を進めたと言われていますが、それを繰り返してならないのも確かです。 国の掲げた数値目標は高いハードルですが、強い刺激を与えるという効果も期待できます。この目標を達成するには、われわれ民間組織も本質を見失わないで、真剣に挑戦することが求められるでしょう。 ITによる企業の経営革新はどうあるべきか、という本質論がまずある。そのうえでIT導入をどう進めていくかと考える。この順序を間違えてはいけません。 これまで日本のIT活用は、間接部門の省力化などコストダウンや業務の効率化に注目されがちでしたが、今後はアメリカのように企業のバリューを高めるしくみ――たとえば顧客獲得、新製品開発といった攻めの活動にもっと使われていいはずです。 眞柄関会長がいわれたようにITコーディネータ協会は「ITによる経営革新」を掲げています。ツールありき製品ありきではなく、経営戦略に基づくIT活用にフォーカスしていくわけですね。 ITベンダーの発想は、どうしても製品販売に結びつけてしまう傾向があります。とりわけ中小企業は予算が小さいですから、「手離れよくする」など余計なことを考えてしまいがちです。その意味では、ベンダーが公的団体などと一緒に、経営革新を語るのは重要なことです。
関CIOがいるような大企業は自社で改革を進められますが、中小企業はCIOもいなければ、情報システム部門の人数も少ないか無いところが多い。経営に役立つIT活用へと導く人材が必要なのです。ITコーディネータがまさにその役割を果す人材だと思います。 全ITコーディネータのうち、ベンダー内ITCの比率は65%前後です。この資格を持つ人が「買ってください」という姿勢では困ります。クライアントがやりたいことを実現するため、本当に役立つことを提案しなくては意味がありません。 ベンダーのSEが経営についてまだ弱い場合は、経営に強い独立系ITコーディネータと手を組んで進めることもできます。経営に強いITコーディネータと、ベンダー側のITコーディネータやSEがうまく連携すれば、本当に経営に役立つICT化が国全体で進むでしょう。 両者のコラボレーションについて、私は会長就任以来ずっと説いてきました。独立系ITコーディネータとITベンダーが協働できるしくみづくりは不可欠です。 眞柄これから約430万社の中小企業に向けてIT導入を働きかけていくわけですから、何をトリガーにするかといえば、やはり経営しかないでしょう。経営者たちにツール優先でなく、「ITで経営革新を進めましょう」とアプローチしていく。またベンダーのほうも、単なるモノ売りは通用しない時代になったと十分に理解しているはずです。 |
3)ツール先行のIT導入でなく、経営に役立つICT化をめざす
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