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眞柄上田知事は産業振興や人材育成に非常に力を入れておられますが、昨年1月に埼玉県とマイクロソフトが「産業振興ならびに人材育成に関する覚書」を交わし、この3月20日にはいよいよ「埼玉経革広場」が立ち上がりました。微力ながら私どもがご協力させていただけることは、大変喜ばしく思っています。 ただ一般的に、埼玉県は東京に隣接していることもあって、産業的にも人材的にも“すでに発達している”というイメージがあると思います。知事が埼玉の産業や人材を、さらに発展させたいと考えておられる背景をお聞かせください。
上田確かに埼玉県は一定の発展を遂げてはいますが、それは“東京のおこぼれ”にあずかるところが大きかったと思います。JR京浜東北線、東武線、西武線といった鉄道はもちろん、東北道や関越道などの道路網も早くから整備されたのも、それらが基本的に東京に向かうためのルートであるということは一つの象徴でしょう。 しかし、道路でいえば外環(東京外環自動車道)ができ、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)も真っ先に埼玉県内部分が開通します。鉄道はJR武蔵野線をはじめ川越線、東武野田線などがありますから、埼玉の各エリアを横断的につなぐインフラが整ってきたわけです。 もともと東京に隣接しているという立地に加え、エリア内の交通の充実、そして全国で4番目という平均年齢の若さなどが相まって、埼玉のもつポテンシャルを活かすことができるタイミングになってきた。“東京のおこぼれ”ではなく、埼玉独自として力を発揮できる時代になったと思うのです。 しかも、埼玉には東京では望むべくもないものがある。それは豊かな環境です。東京はビルばかりで、コンクリートに囲まれて生活しているようなものですが、埼玉ではさいたま新都心のすぐ近くにも田園が広がっています。しかもその規模は、豊島区と同じくらい広大なものです。
もちろん田園地帯はここだけではありませんし、県西部には広大な丘陵地帯が広がっています。秩父などの山岳地帯もあります。こうした空間的なゆとりをすべて合わせると、東京の約2倍もの面積になるのです。 人間は都市生活の便利さを求める一方で、緑に囲まれて暮らしたいという願望をもっています。一見、相反するこのふたつの望みを、埼玉は同時に満たすことができるわけです。そう考えると、埼玉の可能性は益々広がっていきますね。 眞柄確かにビジネスにも暮らすにも非常にいい環境だと思います。我々が普段意識している以上に、埼玉のポテンシャルは高いようですね。 上田そのとおりです。ただ、ポテンシャルが高いだけでは意味がありません。可能性を引き出して具体化するには、明確な目標が必要です。そこで私が掲げたキーワードは、「ゆとり」と「チャンス」です。 「ゆとり」とは、いまご説明したような空間的な広さのほか、住民が安全に、安心して暮らせる環境を意味します。医療、福祉、子育てなどを含めて、ゆとりある県にしていきたいと考えています。また、ビジネスを立ち上げ、育てていくなどあらゆる面で「チャンス」をつかんでいただけるような環境をつくるべく努力しています。 このふたつはそれぞれ独立したテーマではなく、表裏一体の施策だということができます。人間の本質的な部分でいうと、チャンスを生かしチャレンジしたい気持ちはもっているけれど、一方では生活の糧は確保しておきたいものでしょう。安倍首相もよく「再チャレンジ」という言葉を使われますが、ゆとりがなければチャレンジできるものではありません。 そこで、チャンスをつかんでいただくためにも、ゆとりをもった生活ができるような施策を打っているわけです。逆にいえば、ゆとりをもつことができれば、チャレンジする機会も増え、社会は益々活性化していくはずです。 たとえば2007年度の予算で、高校生への奨学金を日本一の水準にしました。埼玉県は入学時の貸付金と月々の貸与額がともに日本でトップなのです。 眞柄私自身、高校生の子どもが二人いますが、高校に上がったとたんに家庭の負担が増えますね。
上田奨学金はあくまで貸付金です。いくら「ゆとり」が大切だとはいえ、お金をあげるという決断はなかなかできませんが、お貸しするだけですからハードルは高くありませんでした。埼玉りそな銀行と提携した施策で、回収は銀行にお任せします。 また、私立高校に通うお子さんをお持ちの家計も大変です。県の補助制度があるのですが、従来はどれだけ裕福な家庭にも補助をする一方で、県外の高校に通う高校生をもつ家庭は補助の対象外でした。この制度を見直して一定の所得制限をかけさせてもらい、そこで浮いた財源を県外の高校に通う子どものいる家庭への助成に振り向けることにしました。 眞柄家庭にとっては一番苦しい時期を乗り越える手助けをしていただけるわけですから、非常にありがたいことだと思います。家庭に余裕を生み、チャンスをつかむ機会も広がるわけでしょうね。 上田私は「ゆとり度」と「チャンス度」という言葉を使っているのですが、埼玉県としてはこの両者をどんどん高めていきたいと考えています。 |
3)行政のサービス産業化が、納税額アップと県民満足度の向上につながった
4)「子育て支援」の普及は、週休二日制と同じ手法で実現できる
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