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エグゼクティブ対談 【第17回】 桑原信隆氏 (三井化学株式会社 常務取締役)
内原康雄氏 (株式会社エヌシーネットワーク 代表取締役社長)

ウェブ活用で挑む、ニーズとシーズのダイレクトな結合による価値創造(4/5)

高コストの環境を変えるためにも国には素早い対応を期待したい

眞柄さて、ウェブのビジネスへの活用についていろいろと伺ってきましたが、ビジネス環境がこれだけ変わると、求められるリーダー像も変わってくるように思われます。これまでは自分の会社にだけ通用するクローズドな人材でよかったのかもしれませんが、これからは世界に通用する、より幅広いスキルを持った人材が必要になってくるのではありませんか。

桑原リーダーの資質において最も大切なものは、環境変化に柔軟に対応でき、かつ素早く有効な手を打てるかどうか、ということです。ダーウィンの有名な、「最も強いものが生き残るのではない、最も賢いものが生き残るのでもない、唯一生き残るものは、変化できるものである。」という言葉は、企業にも個人にも当てはまることです。

 大企業には往々にして真面目な人が多いのですが、真面目と真剣とは全く違います。真面目な人ほど環境変化において、過去の有効性を失った実行策を守り抜こうとして、結果的に後手を引いてしまいがちです。後手を引かないようにするには、自分の思ったことを必死でやり抜くこと、つまりは真剣にやることであって真面目であるということとは一切関係ありません。また、情報通であることはリーダーの絶対条件です。情報は能動的に取りに行かなければ本当に役に立つものは集められませんから、社内に閉じこもってただ上からの指示を待っているだけではだめです。

 従ってリーダー達には、情報を取るために大胆に現在の思考パターン、行動パターンを改め、「脱・指示待ち」で自走せよ、と言っています。 最近の三井化学に関していえば、リーダー候補として中途採用者が増えてきていることが以前とは少し変わってきたところです。

 中途採用者が増えてくると多様性が出てきます。また、みんなそれぞれの人脈をもっていますから、人的な幅は従来よりも格段に広がっていますね。残念なことに中途採用者に限らず仕事に個人の人脈を使うことを躊躇する人がいますが人脈は大いに活用すべきだと私は思います。

眞柄もしその仕事で失敗したら、人間関係まで損ねて人脈を失ってしまいかねないという心配ですね。

桑原そうです。しかし、一度や二度の失敗で壊れるような人脈は、もともと大したものではありません。人脈は生きている間のものでしかありませんし、特に現役で働いている間でこそ輝きを放ち、価値を発揮するものですから、どんどん使ってほしいといっているんです。

内原中小製造業に関していえば、育成云々以前に、人材そのものが入ってこない。バブルの頃は中卒ですら採用できませんでしたし、夏休みにアルバイトにきた高校生を持ち上げていい気分にさせ、会社に無理矢理入れてしまうようなことをやっていました。

 これから先を考えても、特に中小の製造業の人材難はつづくと思います。IT企業と違って元々が目立たない業種だし、社長は真面目で堅い人が多いですから、表に出て派手なパフォーマンスもできません。

 しかし、日本人は製造業に向いている人種だと思います。モノづくりにチームワークは不可欠ですが、個人主義の欧米、中国に対して、日本人はいまでも和を尊重するし、チームワークを作るのが上手ですから。

 従って、国が音頭をとって、製造業がもっと魅力のある業種だということを広く認識してもらい、若い人たちに“働きたい”と思ってもらえるような雰囲気を作っていくことが必要ですね。

眞柄そうですね。日本は素晴らしい製品をたくさん作っていますからね。

内原私の持論ですが、これは日本人がお米を食べているからだと思います。なぜなら、我々は粘りけのあるジャポニカ米を箸できれいに食べるということを生まれた時からやっている。それが「ちゃんとはうれしい」という気持ちにつながっている。汁をかけたり、パン食の文化にはないやり方で人材を作ってきた。

 以前、超精密加工技術で有名な三井ハイテックの坂上社長もおっしゃっていましたが、野菜等の特産品と同じで、製造業にも産地というものがある。理由はモノづくりを根底で支えているのは、実はその土地その土地で育まれるその心、素晴らしいモノづくりとはいわば心の特産品、という話ですがこのあたりは語り始めるとキリがないので今日はこの辺でやめておきます。(笑)。

眞柄そういう意味では、ライブドア事件は一つのきっかけになるかもしれませんね。実体を伴わない虚業はいつか躓く。価値のあるものを生み出す実業こそが健全に伸びるし日本を支えていくのであって、製造業がその代表であることは間違いありませんから。それにしても、景気がよくなってきているなかで、人材不足は大きな問題ですね。

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対談目次

1)ニーズとシーズの間にキャッチボールが生まれれば

2)中小企業の声が大企業に直接届けば新しいビジネスが双方に生まれる

3)知的財産の保護と積極的な国際戦略で顧客直結型のビジネスを作る

4)高コストの環境を変えるためにも国には素早い対応を期待したい

5)生まれ変わっても日本に生まれたい

ゲスト:桑原信隆氏
三井化学株式会社 常務取締役

プロフィール

ゲスト:内原康雄氏
株式会社エヌシーネットワーク 代表取締役社長

プロフィール

聞き手:眞柄泰利
マイクロソフト株式会社

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