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エグゼクティブ対談 【第17回】 桑原信隆氏 (三井化学株式会社 常務取締役)
内原康雄氏 (株式会社エヌシーネットワーク 代表取締役社長)

ウェブ活用で挑む、ニーズとシーズのダイレクトな結合による価値創造(1/5)

ウェブ活用で挑む、ニーズとシーズのダイレクトな結合による価値創造 桑原信隆氏&内原康雄氏

ニーズとシーズの間にキャッチボールが生まれれば

眞柄三井化学さんは、ウェブ上に、開発者とユーザーをつなぐビジネス・コミュニティ「三井化学機能性ポリマーズWebフォーラム」というサイトを立ち上げておられますが、その立ち上げにあたってはNCネットワークさんが協力されたと伺っています。

 大企業である三井化学さんと、いわゆる中小企業の集まりであるNCネットワークさんとの協業は、従来のビジネスの常識からするとユニークなものに映りますが、きっかけは何だったのでしょうか。

桑原私どもは近年、経営の舵を機能性材料事業の拡大・成長に向けて大きく切りました。私が事業をみている機能樹脂といわれる分野の事業では、お客様との間で技術サービスを中心とする情報の円滑なやりとりが重要になります。お客様が抱えておられるニーズとこちら側のシーズがうまくマッチングして、初めて機能樹脂のポテンシャルが活かせるからです。

 ところが、私どもは技術や製品を売り込むノウハウは以前からもっていますが、お客様とコミュニケーションを図りながらニーズ志向で事業を大きくしていくことにはあまり得意とはいえませんでした。環境変化に応じてお客様のニーズがすでに変わってしまっているにも拘わらずそれがすぐには掴めず営業努力が無駄になるということも過去にはありました。

 また、機能樹脂の分野は世界的な競争が激しいので、事業環境の変化にうまく対応して生き延びていくには、お客様との間で、フェイス・トゥ・フェイスの関係をしっかり維持して、絆を固く結びスピーディーでフランクなコミュニケーションを築くことがなにより大切になります。この課題解決にウェブが大いに役立つであろうということはわかっていたのですが私どもにはそれを構築し、運営していくだけのノウハウがありませんでした。

 そうした時に、NCネットワークさんのことを知ったわけです。

内原NCネットワークのサイト上に「技術の森」というコーナーがあります。専門技術について質問を書き込むと、知っている人が答えるというもので、たまたま三井化学の方がご覧になったのがきっかけですね。ただそのあと本当に私どものような小さな会社にお話がいただけるとは思いも寄りませんでした。

桑原いやいや、NCネットワークさんは実績にもとづくウェブ運営のノウハウをきっといっぱいもっていらっしゃると思いましたので、三顧の礼をもってお願いしたんですよ。

内原2000年前後には、商社などが随分お金をかけて受発注サイトを作りましたが大半は3年以内に撤退に追い込まれました。そららの動きを見てなぜ彼らが失敗したのか、成功するためにはどうしたらいいのかを真剣に考え抜いてNCネットワークのサイト運営にも活かしてきましたから、三井化学さんからサイト構築に協力して欲しいというお話をいただいた際にはそれらの実践から学んだノウハウが少しはお役に立てるのではないかと思いました。

眞柄NCネットワークさんは、おそらく日本で最も成功しているB to Bサイトを運営されている会社であると私は思っています。中小製造業を対象にお互いのニーズとシーズを結びつける場を作ってこられたわけですが、場の提供をベースとして事業としての成功に結びつけるまでのポイントは何だったのでしょうか。

内原NCネットワークを立ち上げたのは97年ですが、当初は内原製作所など9つの会社をイントラネットで結び、CAD/CAMのやり取りをはじめとする相互取引からスタートしました。その後、徐々に会員数が増えてお互いのニーズ、得意な技術、困っていることなどを情報交換するようになり、コミュニティとして成熟してきたわけです。

 公的な助成金をいただいた関係で、4年間は無料サイトとして運営しましたが、2001年には一部を有料化しました。コミュニティが活性化して「使える」ものとなっていましたから、おカネをいただけるレベルに達していたということです。

 一方、大手企業が立ち上げたサイトのほとんどは、月額何万円という話からはじまっていました。それにもかかわらず、入会してみると書き込みはまばらで、コミュニティとしての体をなしていなかった。そこが頓挫してしまった原因ではないでしょうか?

 特にB to Bの場合、サイトのユーザー同士の交流はなかなか進まず、いつまでもバラバラな“点”であるケースが多いんです。点と点をつなぐには長い時間を必要としますが、“面”になって初めて次の展開が見えてきます。

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対談目次

1)ニーズとシーズの間にキャッチボールが生まれれば

2)中小企業の声が大企業に直接届けば新しいビジネスが双方に生まれる

3)知的財産の保護と積極的な国際戦略で顧客直結型のビジネスを作る

4)高コストの環境を変えるためにも国には素早い対応を期待したい

5)生まれ変わっても日本に生まれたい

ゲスト:桑原信隆氏
三井化学株式会社 常務取締役

プロフィール

ゲスト:内原康雄氏
株式会社エヌシーネットワーク 代表取締役社長

プロフィール

聞き手:眞柄泰利
マイクロソフト株式会社

プロフィール

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