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眞柄中島会長は現在もナカシマプロペラ株式会社、株式会社システムズナカシマの会長であり、岡山県経済界をリードする企業の経営者として、第一線でご活躍中です。私が中島会長に初めてお会いしたのは2002年のことで、ブロードバンドスクールの企画で萩原前岡山市長を訪問した頃でした。それ以来、ブロードバンドスクールや岡山経革広場ではお世話になってきましたが、本日はあらためて岡山県中小企業団体中央会(岡山県中央会)の会長というお立場から“地方経済活性化にむけたリーダーのあり方”についてお話しいただきたいと考えています。 はじめに、岡山県中央会の活動についてお伺いしたいと思います。各県の中小企業団体中央会は、東京にある全国中小企業団体中央会(全国中央会)の下部組織として、全国47都道府県に設置されています。中小企業の各種団体法人を支援する立場ということですが、岡山県中央会は発足以来、どのような役割を果たしてきたのでしょうか?
中島岡山県中央会が発足した昭和30年当時は、戦後10年という時期でもあり、日本企業の多くがまだ未成熟な状態にありました。政府は中小企業の集団化を推進し、各地で企業団地をはじめとする事業協同組合が数多く形成された時期です。それらの事業協同組合をサポートする目的で設立されたのが、各都道府県の中小企業団体中央会です。 岡山県では昭和30年代、水島地区に三菱自動車などの大企業が集積し、それに伴って下請け機能をもつ企業が急速に増えました。当初それらの企業は各地に点在していたのですが、1カ所に集めたほうが効率も高まるということで企業団地が作られ、県内の中小企業は早くから組織化されていきました。大規模団地が誕生し、岡山県中央会は金融的な面においてもかなり支援したという話を聞いています。これが大きな核となりました。 また、岡山県には繊維問屋が多く、こちらも市中に点在していたので、1カ所に集めて卸団地を作りました。こうした組織化、グループ化が昭和30年代には活発となり、現在に至る岡山経済界の基礎が築かれました。 現在、県内には組合が680団体あり、参加企業は合計で約5万社となっています。県内の企業数は約7万社ですから、その8割近くが各種の組合に参加しているのが現状です。組合には同業種組合、異業種組合など目的に応じて参加企業は様々ですが、組合設立の際にはそのノウハウを提供し、設立後の運営についても指導していくことが中央会の重要な役割の一つです。 眞柄岡山県中央会は、組合など業界の団体法人の設立、管理、運営といった活動を広範囲でサポートしてきたわけですね。昭和40年代の高度成長期、バブル経済期と好景気もあったわけですが、バブルが弾けたあとは国も産業界も様々な負の遺産に苦しみながら踏ん張ってきました。近年ではどのような課題に取り組んでおられるのでしょうか? 中島現在はバブル崩壊後の長期不況をようやく脱しつつあり、組合に加入する中小企業の経営環境は徐々に改善されてきています。しかし、まだまだ厳しさが消えたというわけではありません。岡山県中央会は昨年の設立50周年を機に、従来の支援に加えて新規創業、業種転換も含めた経営革新の支援に力を入れるようになりました。とりわけ異業種連携は重要テーマの一つです。 企業が業種の枠を超えて結びつき、高付加価値型の製品やサービスを創出する「新連携」の支援は、これからの時代に不可欠です。グローバルな競争が進むなか、新しい技術や製品を世界へ発信できるような企業の組織化に取り組んでいます。 その一つとして昨年、岡山大学との間で、産学連携や人材育成などを進める包括的協定を結びました。岡山大学は人材や研究成果の宝庫です。ただ、県内の中小企業にとって岡山大学はまだまだ敷居が高いというイメージがある。そこで、岡山県中央会が仲介しながら、気軽に大学へ相談に行ける環境を作っていこうと考えています。
産学連携を密にすれば、新しいアイデアや取り組みが必ず出てきます。岡山大学は“頼りがいのある地域の大学”と変わるでしょう。また、地元大学から学生を採用したいという地場企業も多くありますから、高い技術を身につけた学生たちが、地場企業に就職するきっかけ作りにもなります。この取り組みは、長期的な視点に立った地域経済の活性化につながっていくのです。 また岡山大学の他に、岡山県立大学や岡山理科大学などへも今後は連携の輪を広げていくつもりです。大学間の競争もありますから、地元大学にユニークな学部が増えれば、それだけ地場企業と交流の機会が増えることが期待できます。そのコーディネート役を岡山県中央会が担っていこうというのが私たちの目指すところです。 眞柄事業協同組合や業界団体への直接的な支援と併行して、長期的な地域経済の活性化にも貢献していくということですね。岡山県中央会のレベルアップも求められるように思えますが。 中島そのとおりです。産学連携を進める事務局として、経営支援能力の底上げはもちろん、年々変わる法律や制度の知識も習得していかないといけません。私たち自らが変化に富んだビジネス状況に対応しないと、質の高い貢献はできなくなりますから。経営支援を核としながら、事業協同組合や参加企業から頼りにされ、ワンストップサービスが提供できる組織を作っていくことが私たちの使命です。 眞柄今年は新会社法の施行や、小泉総理の任期満了に伴う自民党総裁選が予定されるなど、政財界にとって大きな節目の年となりそうです。経済アナリストの多くは「景気は確実に回復している」とみていますし、日経平均株価が2万円台を超えるという予想もあります。岡山県下の経済状況、とりわけ中小企業の景況感はいかがでしょうか? 中島全国的にみれば、中小企業は大企業に比べて景気回復が遅れがちですが、岡山県内に限っていえば、製造業を中心に県内企業の業績は着実に回復しつつあります。自動車業界の業揚による同部品メーカー団体「協同組合ウイングバレイ」の持ち直し、倉敷市の水島コンビナートや製造業の持ち直しなどがその好例です。 今後も緩やかな景気回復がつづくと予想されますから、県下の中小企業も全体としてはその流れのなかにあると考えていいでしょう。好調な中国経済に引っ張られ、2008年の北京五輪、2010年の上海万博までは、好景気がつづくのではないでしょうか。 ただし、それはあくまで全体傾向の話です。実際には景気回復とともに業種間や企業間で、業績の格差が明らかになってくるのではないでしょうか。特に公共事業削減の影響をまともに受ける建設業界など、構造不況業種については依然として厳しい経営環境が懸念されています。 一方で、個別の企業をみていくと、IT活用や異業種参入に積極的なところは、大きく業績を伸ばしているようです。インターネットを利用した商取引でマーケットを広げ、仕事量を確保した企業はいくつもあります。さらに産学連携や異業種交流を進めれば、自社にないノウハウを取り込むことができ、新製品や新技術の開発につながる可能性が出てきます。こういう時期こそ、現状に満足するのでなく、つねに視点を換えて自社の事業を見直していくことが大切だと思います。
眞柄製造業は成長が期待できそうですが、小売業やサービス業のほうはいかがですか? 中島岡山県中央会は商店街や中心市街地の活性化にも取り組んでいますが、中心市街地の衰退にはなかなか歯止めがかかりません。例えば、岡山県を代表する岡山市表町商店街は、店舗がアパレル関連に偏りすぎている点が重石となっています。かつて、若者たちは衣料品を目当てに中心市街地へ来たものですが、不況や郊外店が増えた影響でその集客力は落ちる一方です。 いま多くのお客さんを呼べるのは、飲食店ではないでしょうか。岡山ならではのメニューを開発し、食をテーマにしたイベントを開催してみるも活性化策の一つかもしれません。岡山県中央会では、個店の魅力アップなどの支援事業を通じて、小売業やサービス業をサポートしていくつもりです。 |
4)最先端の技術を支える職人技は人間を通して受け継がれていく
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