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エグゼクティブ対談 【第10回】大塚裕司氏 (株式会社大塚商会 代表取締役社長)

お客さまの目線で考え、お客さまとともに成長する企業でありたい(1/5)

お客さまの目線で考え、お客さまとともに成長する企業でありたい 大塚裕司氏

いちはやくグループウェアを導入しITのメリットを社員が体感

眞柄いまのIT業界は、かつてのような二桁成長が当たり前といった環境でないにもかかわらず、大塚商会は過去最高益をつづけておられます。人員を増やさない、ITを駆使するなど好業績の理由はさまざまあるかと思いますが、大塚社長ご自身はどのように分析されていますか?

大塚大塚商会は来年で創業45周年を迎えますが、これまで中小企業のオフィスを主なお客様として、商品は複写機から通信機器、パソコン、サーバー、ネットワークへと広がってきました。バブル期までは人員を増やせば売上が増え、社員数の増加と売上の伸びがほぼ比例していました。ところがバブル崩壊後、一般的に人員と売上の伸びがパラレルではなくなりましたが、当社でも平成4年ごろから人員と売上のグラフがだんだん乖離していきました。

 当時は様々な方面で投資の必要があり、借入金が膨らんでいたという背景もあります。そこで、社内体制を根本から見直そうという機運が高まりました。つまり、人員を増やさなくても売上が伸びる経営のしくみが求められたわけです。

 それまでお客様のニーズは、コピー機ならコピー機、ファックスならファックスという具合に単品でした。いってみれば大塚商会は、多くの商品をバラバラに売る、単品売りの百貨店のようなものだったわけです。

オフィスの困りごとに対してまとめてお手伝いできる会社になろうと考えたわけです。

 それが、ほとんどの事務機器がインターネット上でつながるオープンネットワークの時代に入ってきた。そこで単品ではなくて商品をセットで売る“ワンストップ・ソリューション”をめざしたのです。従来、一般企業では、コンピュータの最上位は汎用機やオフコンであり、パソコンは個人が別々に使っているというかたちでした。現在ではそれがすべてインターネットでつながり、昔の汎用機レベルのことが5万円、10万円のパソコンで実現できる。サーバーも安くなったので、より少ないIT投資でネットワーク環境を整えることができます。

 ところが、こうしたネットワーク環境をセットで提案できる会社、サプライを含めてオフィスの困りごとに対してまとめてお手伝いできる会社が非常に少なかった。 それなら、大塚商会がそういう会社になろうと考えたわけです。

眞柄なるほど。もともと大塚商会にはたくさんのお客様と商品があったわけですから、環境変化が起きたときに以前からあった財産を見直し、他社と差別化を図るための武器にしたというわけですね。

大塚社のお客様はいま約64万社登録されていますが、1社1社の事情は千差万別です。大企業なら社内にいて当然のIT専任担当者が中小企業にはいません。お客様がITを導入して経営を変えていこうとするときは、それをお手伝いする人が必要です。インターネットを使って取引先とデータ交換や受発注をしたいとなれば、アドバイザーもいるでしょう。

 また中小企業の場合、「この資料が明日までにできないと契約が取れない」といった切迫した事態が起こりがちです。大企業に比較すると、はるかにきめ細やかなサポートが必要となります。単品の商品を扱っていた時代から数多くのお客様と接し、そうしたニーズがあることはわかっていました。だからこそ、お客様が求められるサポート体制ができたのだと思います。

眞柄お客様へのサポート体制を構築するには、バックボーンとなる社内システムも同時に刷新する必要がありますね。過去最高益をつづけるには社内システムの役割が大きかったろうと思いますが、大塚商会にとってITは自社の商品ですから開発にも力が入ったのではないでしょうか。ここ数年の取り組みについて教えていただけますか?

大塚たしかに大塚商会自身がITを売る企業ですから、中途半端なシステムを組むわけにはいきません。第1フェーズで8年、第2フェーズに4年という計12年をかけて新たなITシステムの開発を推進してきました。

 先ほど申しましたように、人員増加と売上の伸びがパラレルでなくなってきましたから、従来のやり方ではダメだ、抜本的な見直しをかけよう、という考えが根底にありました。取り組みは92年からスタートしましたが、最初にやったことは社内データの可視化です。さまざまなデータが可視化されると、ムダを発見して省くことができます。もちろん、データを他の方面に有効活用することもできます。

 93年にはまず社内どうしのFAX利用を禁止し、当時子会社のOSKが開発、販売していた「Joinus」というグループウェアを導入し、役員会の連絡から何から、それ以外では受け付けないことにしました。

自分たちがITユーザーとして先頭を走っているからこそ、お客様のIT化をお手伝いできるのです

眞柄93年にグループウェアを入れたのは早いですね。当時はまだ「オープン化」といえばUNIXのことでしたから。

大塚そうですね。私もその切り替えは早かったと思います。資金的に楽ではありませんでしたが、思い切った投資に踏み切りました。これによって、当社の社員自身がPC-LANでグループウェアを動かすメリットを味わったわけです。

眞柄自分たちが経験しているからこそ、社員の方々はお客様にネットワークのメリットを積極的に売り込んでいけたわけですね。

大塚そうです。当時は売上の1%強がIT投資の平均的な規模でしたが、当社は1.5%から場合によっては2%近くまでかけています。自分たちがITユーザーとして先頭を走っているからこそ、お客様のIT化をお手伝いできるのです。

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対談目次

1)いちはやくグループウェアを導入しITのメリットを社員が体感

2)マインドと物質の両面でサポートするワンストップ・ソリューション

3)株式を公開して再認識した大塚商会の存在意義

4)経営者だけがITと経営を結びつけられる

5)[番外編]趣味は愛車いじりやパソコンづくり こだわることは経営に一脈通じる

ゲスト:大塚裕司氏
株式会社大塚商会 代表取締役社長

プロフィール

聞き手:眞柄泰利
マイクロソフト株式会社

プロフィール

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