この秋、3週連続でトーナメントに出場しました。
こんな体験はレギュラーツアーに参戦していた頃以来ですから、ほとんど記憶にないですね。 その中で感じたのは、自分の体力の衰えは仕方がないとして、情けないほどに低くなっている試合にかける自分の目線、自分の目標でした。
若い頃には、がむしゃらというのでしょうか、ゴルフの1打が恐いなどと思った事は無く、常に目線は上を見ていたものです。確かにプロゴルファーとして長年経験を積んで1打の重みも分かるようになったし、ゲームの流れも読める様になりました。それはもちろん良い事なのですが、その反面ここは狙いたいところだけれど、無理に狙うと危ないんじゃないか、などと考えてしまう恐怖心を覚えることにも繋がったのです。老獪なゴルフと言えば聞こえは良いですが、悪いシチュエーションばかり考えすぎて、攻めの姿勢を忘れてしまった自分がそこにいました。ただ予選を通過したいだけなら危険を避けて安全なプレーに徹すれば良いのかもしれません。でも、それでは優勝は絶対無理です。どこかで危険を冒してでも攻めなければ、優勝などできっこないんです。
優勝を決める1打というものは、必ずどこかに存在しています。しかしそれは、危険を避けていたら絶対に訪れない1打なんです。攻めの気持ちを持って挑戦し続けた時、初めてその1打に出会える。僕はそう思います。
そんなことを言う僕ですが、最近その1打にとんと出会えていません。きっと目線が低いからなのでしょうし、目標設定がずれていたからなのだと思います。ちゃんとした目標設定ができていないとドライバーショットに変にこだわったり、妙にパターが気になったりと、細かいところにばかり目がいってしまうものです。例えば、目標を「ドライバーショットでフェアウェイをキープする」にしたとします。その結果フェアウェイをキープするのがすごく難しい狭いホールでも、他の選手より飛ばない僕は無理してドライバーを使うことになります。それによってフェアウェイキープ率が下がります。そしてドライバーの目標を達成できなかったから悪い評価をされてしまいます。でも、本当に悪い評価を受けるべきなのはドライバーでは無く、ドライバーを使うべきではないホールでドライバーを選択している僕の判断です。正しい目標設定がされないとクラブへの正しい評価もできません。
では、プロゴルファーとしての正しい目標とは何でしょうか?
優勝でしょうか?毎週、毎週、優勝を目標に設定すべきでしょうか?僕は違うと思います。目標は夢とは違います。自分が達成できる、それも低すぎない範囲で設定すべきだと思います。
例えば僕の場合は、ホールバイホールで、いくつで回るかの目標をたてます。1番は距離が長いパー4だから飛距離の無い僕は3オン1パットのパーで切り抜ける。2番は距離の長いパー3、ここもパーでOKとする。3番は狭いけど距離は短いパー4、ここは僕のコントロールのショットの見せ場!バーディーを目標にしよう。こんな感じです。
このように自分の能力、当日のコースの状態、天候にあわせて実現可能な目標を設定していくのがベストだと思います。それが優勝につながることにもなるはずなのです。景気よく、全ホールバーディー・・・を目標にしても良いのですが、あまりにも実現性の低い目標はかえって逆効果になってしまうでしょうね。ちょうど良い目標設定はやる気が出ますが、過度な目標設定は逆にやる気をなくしてしまうものです。だからといって簡単すぎる目標でも、やる気って出ないですよね。目標はその時のスキル、レベルにあわせて最適なものを設定しないといけません。
全ホールをボギーで回る、これは僕には低すぎる目標ですが、ゴルフを始めたばかりの人には高すぎる目標ですね。100前後でいつも回っている方にはちょうど良い目標だと思います。
さきほどあげた全ホールバーディー・・・、これは、タイガーなら丁度良い目標になるのかも?(笑)練習するときでもそれは一緒です。パターが連続で3回入ったら今日の練習はこれで終わりにしようって目標をたてると、疲れている時でも、あとちょっと頑張ろうと、やる気もおきます。でも100回連続で入るまで練習続けるぞ。などとコーチに言われたら・・・、もうやる気なくなりますよね?集中力だって持つわけありません。知らず知らずのうちに部下に対して無茶な目標設定を押し付けたり、曖昧な目標を設定したりしていませんか?部下に対して適正な目標設定の手助けをしてあげることも上司の役目だと思います。
僕も自分の悪い所ばかり探している須貝とは決別して、年齢に関係無く目標を高く持つ須貝になりたいですね。「優勝」をしたいと思ってゴルフをしているわけですから。
さあ頭のストレッチをして、もう一度目標を高く自分の良い所を大切に出来るゴルファーとして頑張りますよ!

(第1回から7回まではバッドマナーについてお話しましたが、今回からはグッドマナーについてお話いたします。)
素敵なゴルファーに出会いました
@先日アマチュアのTさんとラウンドしました。台風の後だったせいもあり、フェアウェイには風で吹き飛ばされた小枝がありました。打つ時にそれが邪魔になったら、普通ならちょっとその辺にどけるくらいですよね。でもTさんは後から来る人たちのことも考えて、林まで持っていってそこに小枝をそっと置きました。小枝も仲間達のところに戻れて喜んでいることでしょう。とても自然思いなTさんに感動です。
Aゴルフ場への移動途中、空港のタクシー乗り場に空のペットボトルが落ちていました。一緒にいたアマチュアのSさんはペットボトルを拾いゴミ箱を探しました。でもあいにくゴミ箱がみつかりません。どうするのかなあと見ていたら、そのままゴルフ場まで持って言って分別ゴミに捨てていました。環境に優しいなぁーっと、またまた感動。
Tさん、Sさんのようなアマチュアの方と一緒にゴルフをさせていただけるプロゴルファーで良かったなぁ。同時にプロゴルファーも人間として、沢山の皆さんから正しい礼儀、ご挨拶の仕方を教わりたいですね。いろいろ勉強しなくちゃ。それにしても素敵な人と出会うと、嬉しくなっちゃいますね。