地方創生とEC(eコマース)の符号の一致

2つの円の集合による3つの位置の考え方で地方やECの障壁を打破できる ―間違った思考やアイディアを論理的に否定

2つの円の集合による3つの位置の考え方で地方やECの障壁を打破できる

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楽天市場内での販売戦略として、楽天市場ができた1997年頃は店舗から来店者にプレゼントをして、
メールアドレスを収集するというものがありました。
他には、掲示板の書き込みを多くして、繁盛感を出すというものありました。
当時はそれが楽天市場内での販売戦略の一つだと理解されていました。
当時のコンサルタントは「とにかくトラフィックを多くして店舗に一度は入らせることがいちばん重要だ」と説明していました。
しかし、最近では「直帰率を下げなさい。」とコンサルタントが言い始めています。
これは店舗デザインや広告手法が洗練されてきた今では当然の流れでしょう。
筆者は、2006年頃に商品レビューの総数で検索順位が上位になるのを発見して、山口県のフグを一冬で3000万円近く売ったことがあります。
ただ翌年は、今は禁じられている「レビュー割引」が一般化して、それに遅れてしまい完全に敗北してしまいました。
他のフグの販売店舗が、購入してレビューを書くと定価・送料を割引きする販売を始めて、一気にレビュー数に差を付けられたためです
その結果、翌年は1000万円も売れませんでした。
つまり一つの包含のなかでも戦略は新しい理論として生まれているのです。
最初に論理のなかでの戦略(理論)の分離について説明します。

3つの円の移置

三段論法というのがあり「AならばB」「BならばC」という実験的な観察で得られた真理(論理と呼びます)があれば
「AならばC」という結論が導き出されます。
これは広告手法によく用いられ、ターゲットを絞り込む場合にコピー文句を作ることができます。
例えば広告の見出し例として

SNSの流行Instagramで商売繁盛
I氏による効果的な利用法
完全開示

よりも
SNSの流行のInstagramとはどんなものか0602_01.png ポイントは写真
I氏による撮影技術を一挙公開

このように、広告で具体的にターゲットを抽出ができるのです。
大きく分けて論理には3つの位置関係があります。
ひとつの論理を円で示しますと、三段論法は図中の「含まれている」にあたり、
それぞれ論理の中に論理が包含されています。人と論ずることや論文を書いたりする場合は、
図中の真ん中にある「重なっている」場合、下の「離れている」場合は、
それぞれ「論点がずれている」「論点の飛躍」というように、論点は常に論理の位置からから判断できます

このように広告は論理と論理の共有部分を中心に作り上げていきます。

同様に広告の見出し例で示してみます。

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Facebookの商用利用
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ネタの選び方、書き方で繋がる強力なファン

 

ターゲットをうまく絞ることは包含する円を大きなものから小さなものに書いていくことです。
題意とはずれますが、もうひとつ大切なことは「ツカミ」です。
例えば「残り10個」「期間限定」「今が参入のチャンス」・・・などあります。
ただ、近年のようにモニターの画素数が増して綺麗な大きな写真が見られるようになると、写真自体も「ツカミ」にもなります。つまり写真と文書の洗練さがもっとも大事になってきています。
このためには論理的な文章や広告を考える必要があります。

間違ったアイディアとは

もちろん、全てのアイディアが間違っているわけではありません。
「山口県周南市のツタヤ図書館新規建設の反対署名運動とECで使うパレートの法則の符号の一致」で述べましたように、 売上の数値が予め期待できるものなら
論理が「重なっている」または「離れている」というアイディアでも有効な場合があります。
この部分はマーケティングの分野になりますので、つづけて4)で述べることに致します。
ただし常にアイディアは必要です。なぜならば「商品ライフサイクル」により売上が下降する時期がいずれ来るからです。
ライバルの出現や流行の変化をいち早く察知し、ライフサイクルを予測しあたらしいアイディアを試していかなければいけません。
そういう意味ではアイディアは戦略とも呼べます。
地方においては、都市部と違いマスコミの監視などがほとんどありません。
何をするにしてもチェック機能が都市部に比べて有効に働くとは思えません。
「批評」と「批判」は意味が違い、論理的に批評することが、地方独自のしがらみがあるためかなかなか出来ていないように見受けられます。
ただ明らかに間違っている場合は「否定」しなければなりません。
公共の事業においては、アイディアの担保が税金ならば論理的な説明が必要です。
(1)で述べました周南市の「ツタヤ図書館」の場合は、建設反対署名が規定数の3倍も集まりましたが、これは建設を否定する住民の意思です。
住民投票をすれば、明らかに市政の混乱を招くのは目にみえており、既に発生している契約状況から、むしろ投票を市議会が否決したのは仕方がないのかもしれません。
問題は「ツタヤ図書館」の建設が決まるまでに、それに批評があって論戦があったのかということです。
アイディアが出てくるのは歓迎すべきことであり、でてきたアイディアを論理的に批評することは改善のために必要不可欠です。
このため、アイディアを提出する人は、その論戦に勝つためには、マーケティングの手法まで提案しておく必要があります。

論理のなかでの戦略(理論)

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戦略には二通りあって、ひとつは論理の中でつくるものと、もうひとつは戦略を別の論理から考えるものです。
例えば楽天で売れているからYahooショッピングにも出店しようというのは、別の論理での戦略になります。
実際は楽天・Yahooショッピング・Amazonのすべてで繁盛させるのは、別戦略となり、小企業ではスタッフ育成や専門性を身に付ける時間の確保が難しいようです。
このため楽天というくくりの中での戦略は、論理のなかでの戦略となります。
つまり理論の選択になります。
図中では黄色の包含の中に2つの円があります。それぞれAとBにしていますが別々の位置関係となっています。
つまり論戦などの土俵はこの位置にありその論理のなかでもっとも利益のでるものを検討します。
楽天での販売戦略では「レビュー割り」がなくなった今でも、さまざまな方法があります。
「クリック課金型広告」「ポイント倍付けセール」「お買いものマラソン」「複数出店」「楽天アフリエイト」「レスポンシブメルマガ」は楽天から提示されたひとつの理論であり、採用するためには批評や同意などを含めた論戦や熟考が必要となります。
ただ、楽天が提示するこれらの戦略以外に、いままで繁盛した店主たちはたくさんの戦略を模索してきました。
今ではその手法が陳腐なものであっても、その手法は時代により変化し、
誰もが考え付かないような戦略が、今でもどこかに存在していることでしょう。
当記事の最初に述べましたように、誰も気づかないときに「レビュー数」に着目して販売するのはひとつの成功例ですが、今はまったく意味をなしません。
クリック型課金広告がスタートしたときにヤフーリスティング広告の前のオーバーチュアが1クリックの最低料金が35円でした。アドワーズが1円からでした。
今ではありえないほど安い料金でしたが、当初はこの仕組みで大きく儲けた店が乱立していました。
あらゆるサービスをウォッチして、それを素早く取り入れるという判断が必要となります。

マーケティングはOR思考

論理思考には先に述べたように円と円の共有部分は論理積やANDと呼ばれています。060203.png
円と円が含む部分を全て合わせたのが論理和やORと呼ばれています。
広告やキャッチコピーや論戦をする場合は、共有部分が包含の中に含まれる方が頑丈な理論武装ができますが、基本的に共有部分をみます。
ここではそれをAND思考と呼んでみます。
例えば「人を救いたい」と思っている学生は、就職先に「救命士」「消防士」「介護士」という様々な選択が可能です。
さらに「リラクゼーション」「鍼灸師」まで届くかもしれません。
一方では「医者」でも「脳手術」をしたいという学生もいます。
さらに、「医者」か「政治家」になりたいという学生もいます。
ものの考え方にはAND(しかも)とOR(または)の二つあります。
前回は、広告や論戦をする場合はAND思考が優位になることを説明しました。
円同士が重なる共有部分をみるのがAND思考です。

地方の商店主・起業者は集客に悩むことがあります。
060204.png それはAND思考になっているからです。
マーケティングの段階で絞り込みすぎています。
前回の意見と逆のようですが、広告や論戦やさらに大学受験の論文はAND思考であるべきは説明しました。
これは背景(論理)から述べて、最後に理論を述べます。
ORの思考は3つの円の位置関係で、その占める面積の合計を考えた場合は2つの円が離れた方が大きくなります。
最初に例示したように目的に対して「救命士」「消防士」「介護士」があるように、
今の仕事に関連するサービスはなんだろうかを考えてみましょう。
ある友人は酒の配達をしていましたが、配達をするならばと、お茶も入れてみると介護施設のサービスに組み込まれることができました。
さらに、酒」ならばと、ビールサーバーのレンタルサーバーを始めました。
そして牛乳を九州から仕入れて配達まで始めました。
つまり、今の仕事に直結するようなサービスを連想していくことで、マーケティングの幅が広がるのです。
ひょっとして核になるサービスが産まれるかもしれません。
これはネットで検索された数が多いほど購入数も多くなるという仕組みと同じです。
検索される言葉を広げることがマーケティングの幅になります。
最近の楽天では「複数出店」を促しています。
サービスを分離させていくと円の面積はだんだん大きくなり、経費はかかるし学習する時間がかかりますがマーケティングは広がります。

3つの円の位置関係による考え方 XOR 排他的論理和(人工知能の発達)

論理思考のもうひとつにXORというものがあります。
この部分は排他的論理和と呼ばれており、最近は人工知能でこの分野の研究が盛んです。

接客や営業はどちらかというと、店に入った時や、商談のテーブルについたときに答えが出ていることが多いようです。
しかし、買うために店に入ったのに、接客態度が悪いから店から出た。
せっかく、お求めの商品の前まで歩いてきたのに店から出て行った。
このような事柄を確率的に下げようという概念があります。
全ての人に同じサービスをするのでなく、個々にあったサービスを確率的に向上させるというものです。

XORが利用されるのは、このときの接客や商談の位置を共有部分(図中AND)においたときの考え方です。
左側の円がお店で、右側の円がお客様で、中心の共有部分が対面商売や営業折衝の場と考えてみます。

有部分が店頭販売や交渉テーブルと考えた場合に、それ以外のXORの部分を、売りたい側のバックステージと買いたい側のバックステージとして、これを予め知って儲けようとする考え方です。

AIの発達でECに応用されると考えられるのは、売りたい側の店の陳列だけでなく、何を売りたいのか、何で儲かるのかというバックステージと、買いたい側の何が欲しいのか、どういう店に行きたいのかという深層心理という言葉に表されるものとのマッチングをコンピュータがするようになることです。

これは買い物をするときに、来店する人のバックステージと自分のバックスステージを、あらかじめ知っておくことが重要という考え方です。
反面、江戸時代からの古来から商売には用いられていた商法であり、私たちが忘れ去った商法かもしれません。
この考え方は今の地方の商店に求められているものです。

バックステージの例をあげると
お客様のバックステージとしては
・この店は信頼があるのか?
・接客態度は大丈夫だろうか?
・少しは私のことを理解して販売しているのだろうか?
・何を売っているのだろうか?
・この商品は新鮮なのだろうか?

店のバックステージは
・どんな人が来るのだろうか?
・どちらかというと若い人に来てほしい?
・時間外でも対応しているが知って欲しい。
・品質には自信がある

最後に

このように2つの円の集合による3つの位置の考え方をうまく活用することで、
地域活性化やネットショップの売上アップについて有効な施策を発見できます。
アイディアを具体化して戦略、戦術に落とし込む際にぜひご活用ください。


2016/06/02 7:10:56

重楽 輝昭
重楽 輝昭

半世紀以上も地方に住み、ECに長く携わってきました。5年勤めた会社では医療用具の付着細菌の死滅の確率を百万分の1にする品質管理を行った経験であります。その後はセンター試験の数Ⅱの選択科目の「確率と統計」「数値とコンピュータ」のDVDの制作販売を行ってきました。 今は、中小企業庁のミラサポ専門家、中小機構ECカタリストとして、自社サイトや楽天・Yahooショップの運営や支援を行っています。 URL:http://willcom-center.com/

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